土地の最適な活用方法を一括提案!
1.筆者(体験談本人)の基本情報
ニックネーム:makona2004
年齢 47才
性別:男
既婚 家族5人(夫婦・子3人)
職業:住宅設計
不動産の知識としては住宅業界に長くいるのである程度の知識はありました。営業、設計、工事などを経験しており、色々な不動産業者とも取引をしてきたおかげでリアルにお客様と不動産業者の取引状況や契約などを見てきました。
今回自分のマンションの売却において経験した内容を公開していきます。不動産関係の知識が少ない人など参考にして頂けたらと思います。
1-1.不動産の詳細
都道府県: | 茨城県 |
物件: | マンション |
築年数: | 16年(売却当時) |
不動産の状態: | フローリングや壁紙の傷みあり、住宅設備機器(キッチン、浴室、トイレ、洗面化粧台などは良好) |
立地: | 駅より徒歩20分圏内 近隣小中高学校・保育園・スーパー・コンビニ・病院・イオン有りの生活には不便のない立地条件でした。駐車場の空きが無い為近隣の月極め駐車場と契約していました。 |
査定前のリフォーム・メンテナンス: | 査定前のリフォームは無 |
その他: | 妻の実家に近い為マンションを5年前に購入、マンション自体全国花火大会などが見え、生活環境も非常に良い場所でしたが、オートロックなどはありませんでした。近所に小学校があり子供の同級生などが多いマンションでした。 |
特殊な問題や訳ありなど
大きな問題は無かったが築年数が20年ほど前なのでサッシ関係はシングルガラスで結露の多い生活環境といえました。窓枠など冬場はこまめに水滴掃除をしていました。
1-2.不動産の管理者
不動産の監理者は私本人です。
1-3.売却金額と期間
理想価格:1500万円
査定価格:1100万円
売り出し価格:1400万円
売却価格:1200万円
売却までに要した期間:約4カ月
2.査定から不動産会社選び、売却完了までの時系列
- STEP.1マンション脱出計画発動家族5人で3LDKは手狭になってきた為マンション脱出、戸建て購入計画を考えはじめました。
- STEP.2銀行との資金計画打合せ今あるマンションの住宅ローンと新規で組む住宅ローンの扱いをどのようにするか綿密に銀行の融資担当者と何度も打合せを行う。
- STEP.3マンションの査定銀行との資金計画を基に仕事柄付き合いのある不動産業者にマンションの査定を頼む
- STEP.4新築の土地探し銀行との資金計画を基に新聞折り込み、ネットのチェック、欲しい土地近辺の地域を実際に歩き回り探すことや仕事上付き合いのある不動産業者などに声をかける。
- STEP.5土地決定、マンション売却土地が見つかり、マンションの売却不動産を決める。
- STEP.6売却、購入同時進行土地が見つかり、マンションの売却不動産を決める。
- STEP.7土地決定、マンション売却土地購入不動産業者にはマンション売却の旨を伝え、色々な条件を付けてマンション売却と土地購入を同時進行としマンション売却の不動産業者には専任にてマンションの売却を依頼。
- STEP.8不動産業者のPR活動マンション売却の不動産業者に積極的に広告インターネットにて情報を公開してもらう。
- STEP.9マンション内覧売却不動産業者より内覧したいという方が現れた為、内覧の合意をしまだ住んでいたが購入希望者に内覧してもらう。
- STEP.10売却依頼より2カ月中々売却が進まない時に不動産業者により色々な広告宣伝活動の提案を受ける。
- STEP.11売却依頼より3カ月過ぎ新規の広告宣伝活動が実を結び購入希望者との価格交渉が始まる。
- STEP.12売却決定多少の値引きがあったが新築の資金計画ギリギリで済みそうだったので売却を決定。
- STEP.13売買契約締結不動産業者の事務所にて購入希望者と売買契約の締結をする。
- STEP.14売却手続き・売却完了銀行にて売却手続きの資金振り込み、司法書士による所有権移転の手続き、仲介手数料の支払いなどを行う。
3.私が不動産を売却しようと思った経緯
3-1.マンション→新築一戸建て購入するため
夫婦と子供一人で中古マンションを購入しましたが子供がひとり増え、ふたり増えいつの間にか家族5人となってしまいました。当初3LDKのマンションであれば問題ないかなと考えていました。しかし3LDKの一部屋は和室、もう一つの部屋は4.5畳と狭く収納スペースも少ない為廊下廻りやリビングに物が溢れ始め「こりゃまずい」ということで心機一転土地から購入し新築を建ててマンション脱出計画をスタートさせることになりました。
3-2.はじめに考えたこと・やったこと
はじめに考えたことは「上手く銀行融資が組めるのか」という事でした。私自身銀行の融資担当者の知り合いが多くいたため都市銀行や地方銀行を廻り上手くマンションの住宅ローンと新築の住宅ローンの借り換えができるのか聞きまわることから始めました。
売却マンションが安くてもダメ、新築の資金が高くてもダメ、売却のタイミングが悪くてもダメという微妙な状況で正直心配の連続でした。しかし、マイホーム購入の夢をかなえる為に日夜知り合いの不動産業者などを廻りマンション売却のポイントなどをしっかりレクチャーしてもらいました。
4.不動産の査定へ
4-1.不動産一括査定or知り合い不動産の査定どちらを選択するか
イエウールやすまいValueなど、不動産一括査定サイトはインターネットの記事などで目にしており知っていました。一括査定の場合は中古車の売却の時にも利用したことがあり、色々な所から電話が殺到しあまり感じは良くない印象がありました。ただ大手不動産などの名前もあったので正直気になる所はありました。また一括査定の場合の魅力としては売却時の宣伝力が大きいと言えることかもしれません。
知り合いの不動産屋(複数)に依頼する
私自身不動産会社の知り合いも多くいたので最終的には一括査定などの大手の不動産でもなく地元の中堅不動産業者にて査定を依頼しました。
理由としては担当者の対応と考え方に非常に好感を持てたからです。色々な不動産業者に話を聞きましたが口頭だけの説明ではなくしっかりと時間をとってアドバイスなどをしていただきました。
4-2.査定依頼
査定は机上査定と訪問査定両方で行いました。各不動産業者ごとに査定金額や見方(見解)もバラバラで、正直「売却するかどうか」「新築をあきらめる」なども考えましたが訪問査定でボーダーラインを設け、それ以下の金額であれば「あきらめる」と家族会議で話し合い、査定依頼をしました。
4-3.査定結果
査定お見積り書という形で不動産業者から書類をもらいました。色々と説明を受けて大変満足できる金額ではありませんでしたが新築計画をあきらめるボーダーラインよりも金額が高かったので訪問査定をしてくれた不動産業者の担当に感謝したことを覚えています。
またこの時に感じたことは一つだけの不動産業者だけの査定金額ではなく机上査定でも色々な不動産業者に話を聞いといて本当に良かったと思いました。ひとつの不動産業者の査定だけでは最悪新築計画をあきらめていた可能性があります。
4-4.査定後のしつこい営業やトラブルなどはなかったのか
私の場合知り合いの不動産業者に依頼し、訪問査定が一社のみで机上査定は数社行いましたがなぜか相性の悪い不動産業者から何度か営業がありました。キチンと訪問査定してもらい金額も納得した旨を伝えたのですが「ウチの方がもっと高く査定します」と根拠のない事を言われました。なぜ高く査定できるのかを聞きましたが「お世話になっているので」と不自然な回答でしたので低調にお断りしました。
5.不動産売却の開始!
5-1.不動産会社の選定
私の場合職務上知り合いの中堅不動産業者に売却を依頼しましたが、決定した理由としてはその営業の人の人柄でした。私が聞きたい事をちゃんと話を遮らずに聞いてくれて適格な返答をもらいました。また宣伝方法や値引き交渉の妥協点などもレクチャーしてもらいました。分からない事は「分からない」と素直に言ってくれましたのでその分信頼度も増しその営業担当の不動産業者に売却依頼を決めました。他の不動産業者は口だけの説明やカラ返事、あいまいな部分が多く見られたのでお断りしました。
5-2.媒介契約
一般媒介契約についてはあまり考えていませんでした。
「媒介契約」には主に3つの種類があります。
契約名 | 特徴 |
一般 媒介契約 | 複数の不動産会社に売却依頼をしても、自分で見つけた買主と取引してもOK。 その分、締結会社の本気度は低くなる恐れがある。 |
専任 媒介契約 | 他の不動産会社との媒介契約の締結ができなくなる。 不動産会社同士の競争を心配せずに売却に取り組むことができるため、締結会社の本気度は高くなる。 |
専属専任 媒介契約 | 他の不動産会社との媒介契約の締結および自分で見つけた買主との取引ができなくなる。 一方で専属専任媒介契約を締結した不動産会社の売却に対する本気度は高まる。 |
それ(通常3か月契約を更新)を待たずして契約を途中で解除することも可能です。
媒介契約は、法律の性質上「委任契約」ですから、好きな時に契約を解除できます。違約金も必要ありません。
多数の不動産業者と打合せする必要がありますし一生懸命宣伝しても他の不動産業者にもっていかれる可能性がある為、宣伝営業活動に力を入れてくれないと思ったからです。また専属専任媒介契約も私自身が色々なお客様と打合せする可能性があった為外しました。最終的にはキッチリと最初から最後までパートナーとなって苦労してくれるだろう専任媒介契約を選択しました。
5-3.売却のための営業
不動産会社
チラシ/インターネット/窓口
当然のことながら地方紙の新聞の不動産コーナーにチラシを掲載してくれました。またインターネットにも情報を提示してもらい宣伝活動をしてもらいました。不動産会社の窓口にも広告をつけてもらい折り込みチラシなども入れてもらえました。
自分
私の場合は住宅会社の設計部門でお客様と打合せすることも非常に多くお客様との雑談の中で中古マンションを探している人がいないかなどお話ししていました。また業者やメーカーの担当者などにも声をかけてチラシを渡し宣伝活動をしていました。
5-4.売却活動のトラブルや問題
売却活動中のトラブルはありませんでした。
しかし、売却マンションの内覧希望者がいる場合積極的に内覧してもらう為その都度時間や日付を調整したりするのも大変でした。何よりも大変なのがまだ住んでいたので内覧の度に家族を外に出して待機させるのと掃除が非常に苦労しました。。
また、中々売却が決まらないというのもストレスが非常に溜まりました。最初はやる気満々でしたが2カ月、3カ月経つと気分も落ち込み気味でした。不動産の営業担当からは「そんなに簡単に決まりませんよ」と言われて覚悟してましたが時間が経つと気分が非常に萎えました。
6.購入者が見つかる!
契約して宣伝開始から約3カ月過ぎた頃に不動産の営業担当から宣伝方法に新たな提案がありました。それは売却予定マンションと他の中堅マンションへのポスティングです。
私は「既にマンションにすんでいるのに需要があるのか」と疑問でしたがマンションの住人同士のコミュニケーションで売却に繋がる可能性があるとの事でした。
そして4か月を過ぎた頃になんと同じマンションに住む方が購入希望という事で連絡がありました。
話を聞くとその方のご両親が北海道に住んでおり息子夫婦と暮らしたいという事で住宅を探していたがそれなら同じマンションの方が良いだろうと私の売却マンションに目を付けたらしいのです。購入される方は年配のご夫婦で「2世帯マンション」と言っていました。確かにそうだなと当時思いました。この時には非常に夫婦ともに喜び新たに活力が沸いてきたのを覚えています。(^^)
6-1.購入者が決まってからの流れ
今回私の場合の売却の購入者は同じマンションに住むご夫婦の両親になります。また、住宅ローンなどを使用せずに現金で購入という事で銀行融資の時間も取られずにすみました。
流れとしては内覧を行い現況の確認をして私達家族の退去時期を決めて条件の確認を行いました。不動産業者も今回は現金決済だという事もあり買い主が住宅ローンの段取りを組む必要が無い為に非常に楽だと言っていました。
そして契約は不動産業者の事務所で行い和気あいあいと契約作業が進んだのを覚えています。
6-2.購入者が決まった後のトラブルや問題
購入者が決まった後の大きなトラブルはありませんでしたが値引き交渉はありました。これは必ずあるだろうと不動産業者もアドバイスしてくれていたので覚悟してました。最終的な折り合いの返事がもらえた時は非常に喜びました。
その他としては引き渡した即日に浴室の水栓が運悪く壊れてしまい。瑕疵という事で手直しをしました。住宅設備機器の使用状況などはよく確認しておいた方が良いなと感じた出来事です。
6-3.無事売却が完了
私の場合のマンションの売却は新築を建てる為のある意味「綱渡り」的な売却でした。住むところをどうするかなど不安な日々が続いていましたので夫婦ともに非常にストレスが溜まりました。とにかく売却までのマインドが非常に重要なので上手くコントロールすることをおすすめします。
私の場合は「マンションが売れなくても死ぬわけではない」と開き直りのようなことを日夜考えていました。その分売却時の嬉しさは宝くじにでも当たったような感覚でした。
その後は特に問題もなく固定資産税などもキチンと日払い清算を行い不動産業者の営業とも非常に仲が良く今でもよく仕事上協力し合っています。
無事に目的だった一戸建ても購入できました!
7.不動産売却の体験からわかったこと:まとめ
今回の不動産売却で感じたこととしては「思っているほど簡単にはいかない」という事でした。色々な不動産業者に話を聞きましたが簡単にできるという不動産業者の話はどうしても信用できませんでした。キチンとメリットデメリットや流れ状況や見通しなどを親身に説明してくれる不動産業者が良いと思います。
不動産の売却は簡単にはいかないのである程度時間や労力を計算に入れて過剰に期待しすぎず淡々と進めていくことをおすすめします。私の体験談が少しでもお役立てれば幸いです。