不動産一括査定サイトはどこも同じ?それとも複数のサイトを使った方がいいですか?

不動産(持ち家)を売ろうかなと考えています。しかしながら不動産の知識や経験もありませんし、周りに不動産関係の知人もいません。。
とりあえずインターネットで調べていると「不動産一括査定サイト」というあるのを知りました。いざ利用しようとしたら、こういったサイトがたくさんあるのでどこがいいのか迷っています。
どこの不動産一括査定サイトを利用しても大きな大差はないですか?
それとも、不動産一括査定サイトを複数使った方が良いのでしょうか?

この記事に登場する専門家

菅 正秀

宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。
大阪府大阪市生まれ。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。ステレオタイプの不動産会社のイメージを払拭して、顧客と不動産会社が健全なパートナーシップを結べる一助なるコンテンツ作成を心がけている。

今回のご質問者様は、不動産一括査定サイトはたくさんある上に違いがよくわからない と悩んでおられます。

不動産一括査定サイトの利用法として、「どこか1つに依頼すれば良いのか、できるだけたくさん(複数)の不動産一括査定サイトに依頼すれば良いのか?」とのご質問をいただきました。

確かに「不動産一括査定サイト」を調べると、イエイ、イエウール、マンションナビ、すまいValue、・・・etc 多くのサイトが出てきますね。筆者が知っているだけでも36サイトもあります。

あなたも、そもそも何でこんなにたくさんの不動産一括査定サイトがあるのかと疑問に思いませんか?また、どこも同じように見えるけど、基本的にどこで取っても大きくかわらないのか?との疑問が浮かんでくるのではないでしょうか?

本記事では、業界経験20年を超える筆者が、上記の疑問にお答えしながら、「不動産一括査定サイト」を上手に選ぶ方法(考え方)を解説します。
最後までお読みいただければ、あなたに合った不動産一括査定サイトの利用法がきっと見つかります。

不動産一括査定サイトは『三方良し』を実現する仕組み(ビジネスモデル)

不動産一括査定サイトは、売ろうかなと思っている不動産の情報をスマホやパソコンで入力するだけで、複数の不動産会社に査定(売却予想価格)を出してもらうことができるサービスです。利用はもちろん無料です

不動産一括査定サイトの仕組み(ビジネスモデル)

なぜ、あなた(ユーザー)が無料で利用できるかを説明します。

あなたが不動産の査定を依頼したいという情報自体を商品として不動産会社に売って収益をあげるという仕組み(ビジネスモデル)になっています。
不動産一括査定サイトを運営している会社は、あなたが査定依頼をすることで複数の不動産会社から手数料をもらっているから無料で運営できているのです。

不動産一括査定の収益モデル
あなた(ユーザー)が、不動産一括査定サイトで6社に査定依頼すると

不動産会社1社の手数料 × 6社
=不動産一括査定サイトの収益
手数料が¥15,000の場合  ×  6
=¥90,000の収益になります

もともと「不動産の査定」は、不動産会社が売りたい人(売主)から売却を依頼(媒介契約)してもらうための営業手法の1つです。あなたが個別に不動産会社に査定を依頼したとしても無料でできます。

しかし、

  • 「どの不動産会社に査定を依頼したら良いのか分からない」
  • 「1社1社個別に依頼するのは面倒くさい」

というのがユーザーの悩みではないでしょうか?

不動産一括査定サイトは、インターネットを使い、一度情報を入力すれば複数の不動会社に瞬時に査定依頼ができてしまいますし、あなたの不動産に合った不動産会社を複数選んでくれます。しかも、無料で利用できますのでユーザーにとっては嬉しいサービスになります。

他方、不動産会社は、不動産一括査定サイトに掲載登録しておけば、新聞折り込み広告やチラシをポスティングする等の営業活動しなくても、査定をしてほしい人(売却の見込み客)が紹介してもらえます。これは有料でも不動産会社にとっては嬉しいサービスです。

特に、地域密着に徹していたり、特定の種類の不動産に特化していたりして実力はあるけれど地名度の低い中小の不動産会社にとっては、大手不動産会社に対抗できる手段として好評です。不動産一括査定サイトの運営会社から勧誘がある度に2つ返事で加入しています。

そして、不動産一括査定サイトの運営会社は、1人のユーザーを見つけると複数の不動産会社から手数料収入が得られるので儲かります。

つまり、『三方良し』の仕組み(ビジネスモデル)になっているのです。

あなた(ユーザー) 無料で査定依頼ができ、不動産会社を紹介してもらえて嬉しい
不動産会社 不動産を査定して欲しい人(見込み客)を紹介してもらえて嬉しい
不動産一括査定サイト 不動産会社から高額の紹介料収入があり嬉しい

不動産一括査定サイトの運営会社は、自ら査定をするわけでありませんし、不動産の売却の仲介をするわけでもありませんので宅建業の免許はいりません。お店も不要なら、多くの人も必要ないですし、倉庫や機械設備も不要です。
つまり、ビジネスを始めやすいのです。

また、不動産一括査定サイトのように自から商品やサービスを提供するのではなく、「商品・サービスが欲しい人」と「商品・サービスを売りたい会社」を繋ぎ合わせて手数料を貰う仕組みをマッチングビジネスと言います。

インターネットは、マッチングビジネスに適した媒体なのです。「車買取」「引越し見積」「リフォーム」・・・etc  インターネット上にはマッチングビジネスのサイトで溢れていることから証明されています。

このような理由から、大手企業の新規事業として(HOME4U、RE-Guide)、インターネットマーケティングの上手いベンチャー企業(イエウール、リビンマッチ)、不動産ポータルサイト運営会社(HOME’S、SUUMO)等が続々と参入してきているのです。

不動産一括査定サイトがあっという間に増えてきた理由がお分かりいただけたと思います。

仕組み自体はどこも一緒 違いは、どの不動産会社に査定を依頼できるかという点だけ!

不動産一括査定サイトの仕組みと急激に増えている理由をご理解いただけたところでご質問にお答えします。

不動産一括査定サイトが査定を行うわけではない。選ぶ基準は、あなたに合った不動産会社に査定依頼できるかどうかです。
闇雲に複数の不動産一括査定サイトを利用する必要はありません。

一つの不動産一括査定サイトだけでも5〜10の不動産会社が選べますので、初めから複数のサイトを利用すると情報が多すぎて逆に選べなくなってしまうからです。

「人の脳は選択肢が多すぎると選ぶのをやめてしまう」と行動経済学の教授がおっしゃています。筆者も現役の不動産営業マンだった頃「お客様に物件を案内する時は、1度に3物件までしなさい。それ以上だとお客様はどの物件が良いのかわからなくなるから。」と教わりました。

一括査定サイトは、不動産関係に知人のいない人が信頼できる不動産会社を見つける最強サービスです。

不動産一括査定を行う目的は?

あなたが不動産一括査定サイトを利用してみようと思った理由は何でしょう?

多くの人は、「自分の不動産がいくらぐらいで売れるのか知りたいから」と答えるでしょう。
しかし、あなたの本当のゴールはどこでしょう? 

【ご自身が所有している不動産を有利に売却すること】ですよね。

あなたが所有している不動産がどんなに魅力的で売れやすい物件でも、あなたご自身の力だけでは不動産を売ることはできません。あなたと買いたい人を繋ぐプロの仲介がどうしても必要になってきます。

つまり、

不動産売却の成功はどの不動産会社とタッグを組むかにかかっているのです。
具体的には、
  1. あなたの不動産の種類(マンション・一戸建て・収益物件・工場・倉庫等)を得意としている
  2. あなたの不動産が所在する地域に精通している
  3. あなたの不動産を売る活動を優先して行う

この3つの条件に合致する不動産会社です。

そして、プラスα

あなたと不動産会社の担当者とフィーリングが合うこと

不動産の売却には概ね3ヶ月くらいの期間がかかります。

この間には頻繁に不動産会社の担当者と接触することになりますから、フィーリングの合わない担当者だと打ち合わせもうまく進まないでしょう。ギクシャクした関係では、条件に合う不動産会社でも不動産売却の成功はおぼつかないでしょう。
逆に、どんなに好感の持てる担当者でも、3つの条件に合わなければ不動産売却の成功は望めません。

以上がタッグを組むべき不動産会社の条件になります。

どうやってタッグを組むべき不動産会社を見つければいいのか?

次に、どうすれば自分の不動産に合った信頼できそうな不動産会社に査定依頼ができるのかをお伝えします。

一つは、多くの不動産一括査定サイトでは、査定できる不動産会社のプロフィールを地域別に一覧できるようにしています。
実際にご自身の情報を入力する前に、あなたの不動産に合った会社が掲載されているか確認して見ましょう。

もう一つは、不動産一括査定サイトであなたの情報を入力すると査定依頼できる不動産会社の一覧が表示されますので、そこで一社一社詳細プロフィールを閲覧して吟味することができます不動産会社を選択して「送信ボタン」を押すまでは、あなたの個人情報は不動産一括査定サイトに送られませんので安心してゆっくり吟味してください。
あなたの不動産に合う会社がなければ、利用を中止して他のサイトをあたればOKです。

おすすめ不動産一括査定サイト3選

ここで筆者からおすすめの不動産一括査定サイトを3つご紹介します。

マンションならマンションナビ

マンションに特化した一括査定サービスを提供するWEBサイトで、マンションリサーチ株式会社という会社が運営しています。元は不動産の営業マンだった人が創業したベンチャー企業です。営業マンだった経験からお客様目線での運営を目指しています。

マンションナビ 一括査定サイト

地方の物件ならHOME’S(ホームズ)

ホームズは不動産の総合的なポータルサイトですので、全国の多種多様な不動産会社と繋がりあります。査定可能な不動産会社は不動産一括査定サイト最大級の1769社が掲載されています。

サービス開始時期 2008年
運営会社 株式会社LIFULL(東証一部上場)
利用者数 476万人
対象エリア 全国
提携不動産会社数 1769社
同時依頼社数 10社
不動産会社の選択 可能
査定可能な不動産の種類 ・マンション
・一戸建て
・土地
倉庫・工場
一棟物件(投資用)
区分所有(投資用)

 

収益物件ならRE-Guide(リガイド)

2006年から「SBI不動産ガイド」という名前で、東証マザーズに上場していたSBIグループ(現在はSBIホールディングス:東証1部)が運営していたサイトです。
現在は独立していますが、もともと金融関係の運営会社である特徴を活かし収益物件の査定に定評があります。

サービス開始時期 2006年7月
運営会社 株式会社ウェイブダッシュ
利用者数 100万人(推定)
対象エリア 全国
提携不動産会社数 600社以上
同時依頼社数 10社
不動産会社の選択 可能
査定可能な不動産の種類 ①マンション
②一戸建て
③土地
④アパート一棟
⑤マンション一棟
⑥事務所・店舗ビル一棟
⑦事務所・店舗ビル一室
⑧その他

複数の不動産一括査定サイトを利用するなら

今まで述べてきたように筆者は、信頼できる不動産会社と出会うには1つの不動産一括査定サイトを利用すれば十分だと考えています。

1つの不動産一括査定サイトでも大手と言われる不動産会社、地域密着の中小不動産会社を複数選択して査定依頼ができます。提出された査定書を吟味して「ここが良さそう」と思われる不動産会社と面談すればタッグを組める担当者とも出会うことができると思います。

注意
面倒だからといって1つの不動産一括査定サイトだけで必ず決めようと考えてはいけません。あくまでもある程度精査を行った上であれば1つでも十分ではないか、という意見です。
ですので、まだ知識や経験もない方であれば複数の不動産一括査定サイトを利用してじっくり検討してみてください。

有名大手企業の意見も知りたいなら、すまいValue(すまいバリュー)と併用

現在誰もが知っている、住友不動産販売、三井リハウス、東急リバブルの業界トップ3を含む6社は、不動産一括査定サイトに掲載していません。独自に「すまいValue」という不動産一括査定サイトを運営しているのです。

どうしても業界トップ企業にも査定依頼したい場合は、すまいValueと他の不動産一括査定サイトを併用することをお薦めします。不動産の売却を成功させるためには、大手だけでなく実力のある地場中小にも話を聞いてみることが大事と筆者は考えているからです。

物件の囲いみが不安ならソニー不動産と併用

近年「物件の囲いこみ」の問題がクローズアップされています。

囲い込みとは:

不動産仲介会社が自社にとって、より収益の多い「両手仲介」(売主様、買主様の双方を一つの会社が担当すること)となるように他の不動産仲介会社に売主様の物件を取り扱わせない様にする行為のこと。これにより、売却の機会損失につながる可能性があります。引用元:ソニー不動産株式会社

売却の機会損失とは、他社の買主からの購入申し込みを受け付けないようにすることで、あなた(売主)の物件が、早く売れるチャンス売出し価格で売れるチャンスが失われることです。

ソニー不動産は、この「物件の囲いこみ」をしないと宣言しています。

物件の囲いこみに不安を覚えている方は、ソニー不動産の査定サービスを併用することをおすすめします。

ソニー不動産 一括査定サイト

まとめ

いかがでしたでしょうか?

そもそも不動産一括査定サイトがたくさんあるのかについて、その仕組み(ビジネスモデル)から理由を解説しました。
不動産一括査定サイトを上手に利用するには、どのような不動産会社が掲載されているかを基準に選ぶことが大事です。

あなたの不動産の売却が成功するよう本記事とリンクを貼っている関連記事を参考にしてみてくださいね。

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菅 正秀

菅 正秀

■宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。 ▼大阪府大阪市生まれ。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。 その後、顧客と一緒にモノづくりをするために、地域中小建設会社に移り、注文住宅・賃貸マンションの受注営業を担当。大手建設会社との競合が激しい中、操業以後に流入してきた近隣住民のクレームにお悩みの経営者さんに、不動産会社時代の人脈を使い工場の移転先を斡旋した上で、その跡地に93戸の賃貸マンション建設の受注をするなど、15年間で約32億円の受注する実績をあげる。 現在は、建築にも明るい不動産コンサルタントとして、不動産会社のエスクロウ業務(契約管理)・新人社員指導等を行なっている。ステレオタイプの不動産会社のイメージを払拭して、顧客と不動産会社が健全なパートナーシップを結べる一助なるコンテンツ作成を心がけている。