不動産一括査定サイトの利用後、条件によって査定料金を請求されることはありませんか?また、査定結果がどのような形で送られてくるのか事前に知りたいのですが……。
ご相談者様は、お子様が自立なさったことで引越しを考え、現在お住まいのマンションの売却を検討なさっているとのことです。そこで不動産一括査定サイトを利用してマンションの査定を受けたいけれど、その仕組みに多少不安をお持ちとお見受けしました。
まず「不動産一括査定サイトを利用することで査定料金を請求されないか?」とのご質問ですが、一切そのようなことはありません。不動産一括査定サイトは総じて利用料がかからず、査定を受けた後で査定料金を請求されることはありません。
不動産会社としては利益が発生しなければ割に合わないはずなのに、なぜ無料で査定してくれるのか?というと、不動産会社が不動産一括査定サイトと提携するメリットに秘密があります。不動産会社は、できるだけ多くの見込み顧客と接点を持ちたいはずです。気軽かつ多くの見込み客とつながれる不動産一括査定サイトの存在は有益だからです。
そして、利用者は複数の不動産会社から査定見積りをとり、不動産会社は査定額の連絡を利用者に行いますが、これは自社で契約をしてもらうためのアピールであるといえます。つまり不動産一括査定サイトを通じて利用者の物件を査定して連絡することは、不動産会社にとって営業活動にあたるものなのです。
最終的に不動産会社が利益を得るには、営業活動の結果媒介契約を結び、仲介手数料を受け取るときです。これはほかの業種でも同じことで、見積りしてもらう度に費用が発生することはありません。それと同じような感覚ととらえていただければと思います。
ちなみに、不動産一括査定サイト自体が無料で運営できている理由についてもご説明しましょう。不動産一括査定サイトは、提携する不動産会社からサイト利用料(紹介料)のような形で料金を受け取っています。これが主な収益源です。
不動産会社は多くの人に自社の情報を目にしてもらえる広告としてのメリット、また売却を検討している顧客とのマッチングができる集客のメリットを享受しています。その対価として、不動産会社は不動産一括査定サイトに料金を支払うのです。そのため利用者には一切の負担をかけることなく、不動産一括査定サイトの運営が成り立っています。
この図式を総合すると、不動産会社は不動産一括査定サイトを営業や広告、顧客獲得に利用でき、不動産一括査定サイトはその対価を不動産会社から受け取れるということ。双方win-winの関係によって、利用者も無料で気軽に不動産一括査定サイトで査定を受けられ、三者間でそれぞれのメリットを受けられることになります。
そのためご相談者様がご不安に思われているように、不動産一括査定サイトおよび不動産会社から査定料金を請求されるということは一切ありませんので、ご安心ください。
査定結果は、電話やメールでご相談者様に連絡されます
ご相談者様がもうひとつ疑問に思われているのが、査定結果はどのような方法で連絡されるのかという点です。これは不動産会社から電話、もしくはメールで査定額の連絡が来ます。
不動産一括査定サイトを利用するにあたっては、ご相談者様のご住所をはじめ氏名、電話番号、メールアドレスといった個人情報の入力が必要です。不動産会社は、その情報をもとにご相談者様に連絡を行います。
ご相談者様は、もしかすると電話よりもメールでの連絡の方が気楽でいいとお考えかもしれません。確かに知らない番号から電話がかかってきても不審に思いますし、忙しいときには対応できないため、煩雑に思えるのもうなずけます。
電話連絡かメール連絡かどちらかを選べないのか気になるところですが、不動産一括査定サイトの査定フォームに電話連絡かメール連絡かを選択できる欄はほぼありません。しかし、備考欄に希望を記入することはできるため、ご相談者様がメールでの連絡を希望される場合は、その旨を備考欄に記載しておきましょう。
不動産会社はその意向を汲んで、メールで連絡をしてくれるはずです。もし、この備考欄の内容を無視して、しつこく電話連絡を行うような会社があれば、その時点で信用に値しないと考えて契約を見送ってもよいでしょう。
また、不動産一括査定サイトのなかには、利用者のクレームを受付けて不動産会社に伝え、場合によっては提携を打ち切る仕組みが整っています。たとえば、先の例のようにメールのみの連絡を希望していたのに電話が来た場合、ご相談者様は不動産一括査定サイトを通じて不動産会社にクレームを入れることができるのです。
不動産会社にとっては、貴重な顧客獲得の場である不動産一括査定サイトとの提携が切れると、売上への影響が生じます。このためできるだけ利用者からのクレームが来ないような、丁寧な対応を心掛けてくれるようになるでしょう。
不動産一括査定サイトでは、査定フォームに入力された地域や間取り、築年数などの情報から査定を行う簡易査定と、実際に物件を見て査定する訪問査定を選べます。ふたつの方法の違いは、データ情報のみを参照し過去の取引実績などを鑑みて簡易的に査定するか、担当者の目で物件を見てその状態なども含めて査定するかです。
なかでも簡易査定は、とにかく査定額だけを気軽に知りたい、今は売却の予定はないけれど将来のために査定を受けたいといった軽めの意思をお持ちの方が多く利用します。一方、訪問査定は売却の意志がしっかり固まっていて、より正確な査定額を知りたいという人が利用するのが一般的です。
訪問査定=売却の意志がしっかり固まっていて、より正確な査定額を知りたい
この点を踏まえると不動産会社側としては、訪問査定の利用者とは電話で接点を持ちたいと考えるでしょう。対して簡易査定の場合は、とりあえず金額の提示に留めて利用者に検討の余地を与えるため、メールでの連絡とするケースがよく見られます。
つまり、もしご相談者様が電話での連絡に抵抗があると場合は、最初は簡易査定を選んでおくのもひとつの方法です。
ちなみに大手の不動産一括査定サイトのなかには、ご相談者様の個人情報を入力することなく匿名で簡易査定を受けられるシステムを備えたものもあります。この場合、査定結果はご相談者様のもとに電話やメールが直接来るのではなく、利用会員専用のマイページに査定結果が表示される仕組みです。
この形であれば、軽く査定額を知りたいだけで直接連絡が来るのは気が引けるといった場合でも、気軽に利用することができるでしょう。査定結果に納得できた場合は、そのまま不動産会社との交渉に進むことも可能です。ただし机上査定(簡易査定)はあくまで概算となるため、提示される査定額も〇〇〇万円~〇〇〇万円といった大まかな表示となります。
場合によっては、査定終了後にも営業の連絡が来ることがあります
不動産一括査定サイトを利用される際に頭に置いて頂きたいことは、査定結果連絡以外にも不動産会社から営業の連絡が来ることがあります。上記のように、査定結果の連絡自体は電話もしくはメールです。しかしそれが終了した後にも、ご相談者様に売却の意思があるかどうかなどのお伺いを立てるために、電話やメールで連絡が来ることがあるのです。
なかには、後日DMを郵送してくる会社もあります。これは一般的に想像しやすい営業活動のスタイルといえるでしょう。不動産会社としては、できるだけ自社で契約をしてほしいという希望があり、査定依頼を受けてつながった利用者様にはアピールしておきたいというのが本音です。ご相談者様は、このような営業連絡を受ける可能性があります。
時には一度契約を断ったにもかかわらず何度も電話をかけてきたり、夜などの時間帯に電話してきたりといったしつこい会社もあるかもしれません。すべての不動産会社が執拗な営業活動を行うわけではないものの、しつこい不動産会社に当たってしまう恐れもあります。
このような事態に対応するには、前述で少し紹介したようなクレームを受け付けてくれる不動産一括査定サイトの利用がおすすめです。不動産会社が備考欄の内容を汲んでくれなかったときと同様、迷惑な営業電話を何度も掛けてくる不動産会社はクレームの対象になり得ます。不動産一括査定サイトのサポートへクレームを入れることで、その不動産会社にペナルティを与えられるでしょう。
断りづらいときにも、毅然とした態度が大切です
ご相談者様が査定結果の連絡手段を事前にお知りになりたいのは、不動産会社との取引を断るときのことを想定されているからかもしれません。確かに電話口で直接断りを入れるのは、どこか気が引けるところもあります。その点メールなら多少気楽に断れるように感じるのではないでしょうか?
これまで説明してきたように、査定結果の連絡を電話かメールのいずれかを選択することは基本的にできません。備考欄に希望を記入するのが主な方法です。ここでメールでの連絡を希望した、もしくは一度断ったのに電話がひっきりなしにかかってくるようであれば、ご相談者様が毅然とした態度で断ることも大切になります。
例えば査定結果の電話を受けたときにあいまいな返事をすれば、必ずまた電話が掛けてきます。「考えておきます」「今検討中です」などといった断り方をすると、先方はまだチャンスがあるものと考えるでしょう。結果としてご相談者様は、何度も営業電話を受けることになりかねません。
この場合ははっきりと売却はしないこと、もしくは別の不動産会社との取引を決めたことをきちんと伝えるべきでしょう。はっきりと伝えることで今後の営業連絡をシャットアウトすることにつながります。
とはいえ営業電話では、不動産会社の担当者に押し切られてしまう可能性もあります。そのときはメールでもいいので、しっかりと断りの連絡を入れておいてください。
詳しい査定結果を聞きたいときには電話での連絡を希望しましょう
ここまでご相談者様が、不動産会社から電話で連絡を受けることを渋っているという前提でお話をしてきました。しかし本当にマンションを売却する意思があり、査定結果を詳しく聞きたいと考えているなら、逆に電話での連絡を希望する旨を査定フォームの備考欄に記入しておくといいでしょう。
メール連絡でももちろん査定額は知らされますが、なぜその金額を提示したのかといった理由はあまり明かされていないものです。また、もし疑問点が生じたとしても、メールではその場で回答が得られません。
その点、電話で査定結果の連絡を受ければ、査定額をつけた詳しい理由を聞くことができ、その他疑問点についても答えてもらえます。これは査定額に限らず、不動産会社がどのような対応を行ってくれるかを見極める手段にもなるでしょう。
ここで、もし雑な回答しかもらえなかったり、強引に契約に持ち込もうとしたりといった対応を行う不動産会社であれば、取引を進めることはやめておくべきです。対して、電話口でも丁寧な対応をし、質問に丁寧に答えてくれるような不動産会社は、信頼が置けると判断できます。
このように電話で直接やりとりをすることは、今後取引を行う不動産会社を選別する要素になり得るのです。
不動産一括査定サイトを賢く使って、希望に沿う取引をしてください
不動産一括査定サイトは完全無料で利用できるため、ご相談者様がとりあえずマンションの売却額だけを知りたいというときには有効です。査定結果の連絡手段については、希望があれば備考欄に記入しておくといいでしょう。
もし、しつこい営業電話がかかってきて断りにくいというときは、不動産一括査定サイトのなかでお断り代行サービスを行っているものもあるため、利用してみてはいかがでしょうか?ご相談者様がマンションを売りたいという意思が固まれば、査定結果・対応がよかったところを選び、ご希望に沿う取引を進めてみてください。