不動産売却相場の調べ方や、不動産査定が無料でできるおすすめのツールやサイトを知りたいです。

不動産売却相場の正確な調べ方や、不動産査定が無料でできるおすすめのツールやサイトを知りたいです。

今回のご質問者様の相談内容は「不動産売却相場の調べ方」についてです。

これから不動産を売却しようとする際、はじめに行うのが相場の調査になります。
そこで正確な相場価格を知ることができると、不動産の売却で損をせずに済むのです。つまり、はじめの段階で相場価格を知っておくことは非常に重要ということになります。

そこで今回の記事では、そもそも不動産の売り出し価格はどうやって決まるのか?からはじまり、過去の不動産の売り出し価格と取引価格(売却価格)の調査方法を解説します。

そして、記事の最後では相場価格を理解した上でプロに依頼する査定についても簡単に紹介するので、最後まで読んでみてください。

はじめに:不動産の価格の決まり方

はじめに、そもそも不動産の売り出し価格がどのように決まるかを確認していきます。

不動産の価格には以下の2つがあり、あなたが自由にコントロールできるのは売り出し価格となります。

不動産にある2つの価格
  1. 売り出し価格:広告などに記載される不動産の価格
  2. 取引価格(売却価格):実際に売買された価格

売主であるあなたは自己所有の不動産をいくらで売りに出すかを決めることはできますが、実際にその値段で売れるか否かは買主の思惑もからむため確実ではありません。そのため、あなたがコントロールできるのは売り出し価格のみとなります。

そして、過去の売り出し価格と過去の取引価格を知ることは、あなたの不動産の売却相場価格を知ることにつながるのです。

以下では、売り出し価格と取引価格について、それぞれどのように決まるかを簡単に解説します。

売り出し価格の決まり方

先ほど述べたとおり売り出し価格は広告などに記載される不動産の価格です。そして、売り出し価格は以下のような様々な要素を用いて決定されます。

不動産の売り出し価格に関係する要素
  1. 不動産のタイプ
  2. 立地
  3. 築年数・間取り・広さ
  4. 設備
  5. 周辺環境
  6. 過去の取引事例
  7. 売主の希望
  8. 値下げ幅の想定

極端な話をすると、不動産に関係するすべての要素が売り出し価格に関係してきます。それをふまえて、最終的には売主が希望する価格を加味して売り出し価格が決められるのです。

もちろん売り出し価格が同種の物件の価格よりも安ければ買主を見つけやすくなります。一方で売り出し価格が相場よりも高ければ、買主は見つけにくくなりますが、売れた場合に売主のニーズを満たす可能性が高くなるでしょう。

不動産オーナー

売り出し価格を素人が正確に設定することはできるの?
できないことはありませんが、過去の取引事例を調べるなどの手間が発生します。そのため不動産会社に協力してもらって設定するのがおすすめです。ただし、素人であっても価格の決まり方を頭に入れておくべきです。

不動産会社

取引価格の決まり方

売り出し価格の決まり方を解説したところで、次は取引価格の決まり方について確認していきましょう。

取引価格は実際に売買される価格なので、最終的に売主と買主が合意した価格となります。

つまり取引価格には買主の意向も含まれてくるのです。当然ですが、売主は「1円でも高く売りたい」と考えますし、買主は「1円でも安く買いたい」と考えます。これら2つの意向の折衷点が取引価格にるのです。

売主としては、買主からの値下げ交渉もふまえて売り出し価格を設定しておくことをおすすめします。そうすることで、買主の値下げ交渉に応えつつ売主の求める最低限の取引価格を実現しやすくなるのです。

不動産会社

売り出し価格と取引価格は異なるケースが多い

ここまでの解説で売り出し価格と取引価格それぞれの決まり方を理解できたでしょうか?

どちらも不動産に関連する価格として非常に重要なので、頭に入れておいてください。

では、

  • 売り出し価格と取引価格は一致することが多いのでしょうか?
  • それとも差が生じることが多いのでしょうか?

この点については、買主からの値下げ交渉が入るために多くの場合、売り出し価格よりも取引価格が低くなります

そのため不動産の売却相場を知る際は、値下げ交渉の存在まで想定した調査が必要となります。

以下では、売り出し価格と取引価格の調査方法を解説していくので、あなたの不動産を念頭に置きながら読んでみてください。

不動産の売り出し価格の調べ方

はじめに不動産の売り出し価格を調べる方法について解説します。

売り出し価格は売主と不動産会社が売り物件を広告に載せる価格なので、調べるのは決して難しくありません。中古不動産の販売情報を調査したら良いためです。

中古不動産を扱っているサイトの例を挙げると以下のとおりです。

不動産の売り出し価格を調べるサイトの例
  1. OPEN HOUSE
  2. SUUMO 関東版
  3. at home
  4. LIFULL HOME’S

上記したものはあくまで不動産売り出し価格を調べることのできるサイトの一例です。

他にも数多くのサイトで中古不動産の価格が公開されているので、それらを一度確認してみてください。全国各地の不動産が掲載されているため、細かな要素からあなたの不動産と似たものを探しましょう。

あなたの不動産と似た物件を探す際は、以下の手順で検索していくのがおすすめです。

花子

似た物件の探し方
  1. 「中古マンション」などの物件種別を選択
  2. 立地を都道府県→市区町村で選択
  3. 間取り・駅徒歩・築年数・専有面積などを選択

こうして物件種別→立地→細かな要素と選択していくことで、あなたが売却しようと考えている不動産に近しい物件の売り出し価格を調べることができます。

地方の不動産については参考例が少なくなるケースもあるので、細かな要素に幅を持たせて調整していきましょう。また間取りや設備が特徴的な不動産も参考例を集めにくくなるため、複数の条件を設定して幅広く売り出し価格を集めていきましょう。

売り出し価格を調べる際の注意点

このようにして売り出し価格についてはインターネットで簡単に調べることができますが、調査の際は以下の点に注意しましょう。

売り出し価格を調べる際の注意点
  1. 売り出し価格はあくまで売主の希望価格
  2. 築年数・間取りといった細かな情報は総合して考える

記事の中で繰り返し述べていますが、不動産は必ずしも売主の希望した価格で売買できるとは限りません。そのため、売り出し価格を調べる際は、そこには売主の希望も含まれているとあらかじめ理解しておきましょう。

また築年数や間取りといった細かな情報すべてがあなたの不動産と一致するケースはほとんどありません。そのため、あくまで総合的に近しいものを探してみてください

似た不動産の実際の取引価格の調べ方

続いて取引価格の調べ方について解説します。

こちらは一般的に使われるサイトとは別のもので調査を進める必要があるでしょう。

具体的に利用できるのは、以下の2つのサイトになります。

いずれも売主の希望する売り出し価格ではなく、実際に行われた売買の価格を知ることができるサイトです。不動産を売ろうと考えない限り縁のないものですが、売却相場を知るために必要な情報を得ることができます。

取引価格を調べる際の注意点

実際の取引価格は現に行われた売買価格であるため、あなたの不動産の売却相場を知る際の大きな手掛かりとなります。しかし以下の2点には注意が必要です。

取引価格を調べる際の注意点
  1. あくまで過去の価格である点に注意
  2. 特殊事情の有無を確認

取引価格は実際の売買価格ですが、あくまで過去の価格でしかありません。

不動産の需要と供給は景気の影響を受けやすいため、売るタイミングが異なれば取引価格も異なります。また買主が異なることでも、取引価格は大きく変わる可能性を秘めています。そのため取引価格を集めても、確実にあなたの不動産の売却相場を算出できるわけではありません。この点は理解しておいてください。

また不動産にある特殊事情が取引価格に関わっているケースもあります

特殊事情とは例えば、同種の物件にはない設備や近隣に大人気の施設があること等です。特に設備に関しては、検討要素として見逃すことも多いため気を付けていきましょう。

不動産オーナー

当たり前のことだけど、全く同じ不動産って存在しないんだよな。
おっしゃる通りです。また極論を言うならば、99人が欲しいと思わなくとも、1人が1億円払っても欲しいと考える物件も存在します。このように相場はあくまで相場ですが、それでも調べないよりは参考になるでしょう。

不動産会社

相場感が形成されたら査定してもらおう

ここまでの内容であなたの不動産の売却相場価格の調べ方が大まかに理解できたのではないでしょうか。
素人であっても、適切なサイトを利用することで売り出し価格のみならず取引価格まで調査することができます。

こうしてあなたの中に不動産の売却相場が形成された後は、プロの意見を取り入れていくのもおすすめです。
プロならば、あなたが見落とした要素を反映させた査定額を提示してくれるかもしれません。記事の最後では、不動産の査定をプロに依頼する方法について解説します。

不動産一括査定サイト

不動産の査定を受けようとした際、もっとも手軽なのが不動産一括査定サイトの利用です。不動産一括査定サイトは、その名のとおり一括で複数の不動産会社から査定を得られるものとなります。

以下のサイトはいずれも不動産一括査定サイトですが、それぞれ細かな部分で特徴が異なるので調べてみてください。

おすすめの不動産一括査定サイト

どのサイトも基本的な不動産情報を入力するだけで、査定額を得ることができます。こうした手軽さは不動産一括査定サイトを使う大きなメリットです。

また査定時には、複数の不動産会社の中からあなたに合ったものを自動で選んでくれます。その上で、さらにあなたの手で好みの不動産会社を選ぶこともできるため非常に便利でしょう。

ただし、不動産一括査定サイトを利用した査定はあくまで「机上査定」である点に注意してください。不動産の査定には以下のとおり「机上査定(簡易査定)」と「訪問査定」の2つがあります。

机上査定と訪問査定
  1. 机上査定:現場を訪れずにわかる情報で査定
  2. 訪問査定:現場を訪れて実際の不動産を見て査定

机上査定は現物の不動産を見ずに行うため、物件一つひとつの細かな状態や事情を査定額に反映させることができません。一方で、物件を見るコストをかける必要がないためサイトで簡単に無料で査定を得ることができるのも事実です。

このような机上査定については、それがそのまま取引価格になるとは考えず、あくまで参考程度にとどめておきましょう。その上で不動産一括査定サイトを利用して信頼できそうな不動産会社を見つけることができた場合は、次に紹介する訪問査定を利用するのもおすすめです。

訪問査定

先ほども述べたとおり訪問査定は、不動産会社のスタッフが実際にあなたの不動産を訪れて行う査定です。そのため物件の細かな状態や設備類をより正確に査定額に反映させられます

しかし当然ながら訪問査定であっても確実にあなたの不動産の売却価格を算出できるわけではありません。そのため信頼できる不動産会社が複数ある場合は、複数回の訪問査定を受けるのも良いでしょう。

ただし訪問査定は立会いの必要もあり、あなたに時間的なコストが発生します。売却しようとしている不動産に現在も住み続けている場合は、訪問査定の回数を上手く調整してください。

不動産会社

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は不動産の売却相場の調べ方について解説しました。

あなたの手である程度まで相場を調べることができると、その後のプロによる査定も有効活用できる可能性が高まります

以下は今回の記事のポイントです。

今回の記事のポイント
  • 不動産の価格には売り出し価格と取引価格がある
  • 売り出し価格は中古物件の販売サイトで調べる
  • 取引価格はレインズや土地総合情報システムで調べる
  • 自分で売却相場を調べた後はプロに査定を依頼しよう

不動産の価格に正解はありません。買主の経済状況とニーズ、そして景気の状態などあなたの手ではコントロールできない要素が最終的な取引価格を決めていきます。そのため、そういった変動を見越して売り出し価格を設定するのが大切なのです。

それができると、買主のニーズを満たした上であなたの求める最低限の売却価格を満たす形で不動産を売ることができます。あなたも、まずは自分の手で不動産の売却相場を調べてみてください。その上で、信頼できる不動産会社に訪問査定を依頼していきましょう。

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坂田

都内在住専業ライター。法科大学院を卒業し、上場企業で不動産を含む不動産取得・投資活動に関わった後に専業ライターへ転身。