「土地面積・建築面積・延床面積・建物面積」の測り方や確認方法とは?

不動産一括査定サイトを利用するために、順番に入力していると、土地面積、建物面積の入力を求められます。自分の不動産ですが正確に覚えていません。
何を見たらわかりますでしょうか?
また、入力項目には「だいたいでOKです。」と書かれていますが、それも見当がつきません。。どうのようにしたら良いでしょう?
正確な査定には正確な数字が必要だと思いますが、どうしてだいたいで良いのでしょう?

この記事に登場する専門家

菅 正秀

宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。
大阪府大阪市生まれ。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。ステレオタイプの不動産会社のイメージを払拭して、顧客と不動産会社が健全なパートナーシップを結べる一助なるコンテンツ作成を心がけている。

今回のご質問者様のご相談内容は、

  • 「土地面積」、「建物面積」を正確に知る方法
  • だいたいの数字を把握する方法
  • どうして「だいたいの数字」を入力すれば良いのか

という3点のなります。

ご質問者様は、至極まじめな方のようですね。不動産一括査定サイトで査定依頼をするには、「正確な数字を入力しなければならない」と考えていらっしゃいます。

実は、素人の方が不動産会社に査定依頼をするには、物件を特定する情報さえあれば大丈夫なのです。
具体的には、物件の正確な住居表示(住所)です。マンションであればお部屋番号も必要。

不動産会社は、査定する物件が特定できれば、その正確な内容を、合法的(所有者以外の誰でも可能)に調べる方法を知っているからです。

以下に順次解説していきます。

最後までお読みいただければ、スッキリとして不動産一括査定サイトを利用することができるようになります。

(1)土地面積・建築面積・延床面積・建物面積とは

とかく不動産の専門用語は難しく、紛らわしいものもあります。

はじめに「土地面積」「建物面積」「延べ床面積」「建築面積」についてわかりやすく説明しておきます。

土地面積とは

土地面積とは、建物がたっている土地の広さのことをいいます。「敷地面積」といわれることもあります。

建築法規のうえでは、建ぺい率、容積率を計算する基礎になるものです。
建ぺい率、容積率は、建物の大きさを決めるルールで、都市計画でその限度の数値が決められています。

建ぺい率とは、土地面積に対する建築面積(後述)の割合のことです。容積率とは、土地面積に対する延床面積(後述)の割合になります。

例えば、土地面積が200㎡で、建ぺい率が60%、容積率が100%の場合なら、「建築面積」の上限が120㎡に、「延床面積」の上限が200㎡になります(下記画像を参照してください)。

㎡=平米(へいべい)、 平方メートル(へいほうめーとる)と読みます。

1㎡とは、縦1m 横1mの正方形と同じ面積となります。

例えば、横幅が5.5m 奥行が6mの駐車場だと、5.5✕6=33㎡となります。

車2台分の駐車スペースの広さとなります。

出典元:1㎡ってなんですか?


画像引用:SUUMO(スーモ) より

不動産の査定では、この建ぺい率、容積率の制限に適合しているかどうかで金額が変わってきます。

建築面積とは

建築面積は、建物を真上から見たときに見える部分の面積です。

一般的には上記画像の事例のように1階部分の面積になりますが、2階の方が1階より大きければ2階部分の面積となります。

不動産一括査定サイトでは、入力項目にはなっていません。

延床面積とは

延床面積とは、建物各階の面積(床面積)を合計したものです。

上記画像の事例では、1階の120㎡と2階の80㎡を足した200㎡が延床面積となります。

次の「建物面積」と同じ意味です。

建物面積とは

建物面積は、延床面積と同じで、建物各階の面積(床面積)を合計したものです。建物全体の面積になります。

3階建ての場合は、1,2,3階の合計ですし、マンションなどで1階しかない場合は1階のみの数値です。マンションの場合は「専有面積」といわれることもあります。

不動産一括査定サイトの入力項目では、この「建物面積」が入力項目の名称として使われることが多いです。

(2)土地面積・建築面積・延床面積・建物面積は何をみて調べるのか?

それでは、土地面積・建築面積・延床面積・建物面積がわからない場合は、どうやって、何をみて調べられるかを説明していきます。

購入時の売買契約書又は重要事項説明書を見る

まずは、あなたが不動産を購入したときのことを思い出してください。

売買契約を結ぶ前に、不動産会社から「重要事項説明」を受けませんでしたか? その時に「重要事項説明書」の交付を受けているはずです。

また、売買契約では、「売買契約書」を作成し、売主、買主がそれぞれ署名・押印し、売主、買主各1通を渡されていることと思います。

この「売買契約書」又は「重要事項説明書」を探し出して、中身をみていただくと、

  • 「売買の目的物の表示」
  • 「不動産の表示等」
  • 「物件の表示」

などという項目があります。

そこには、土地、建物の広さ(㎡)が記載されています。

【サンプル】
不動産売買契約書
重要事項説明書

また、新築マンションを購入された方は、豪華なパンフレットの中に「図面集」というのがあったと思います。

その「図面集」で、あなたのお部屋に該当するタイプをみていただき、「専有面積」に記載されている広さが、「建物面積」になります。
ポーチ面積やバルコニー面積は「建物面積」に入りませんので注意してください。

マンションに強い不動産会社の場合
ちなみに、マンションの査定をしようとする不動産会社であれば、自社の営業エリアの主だったマンションの図面集は持っているはずです。
もし、図面集を持っていなくても、㈱東京カンテイやアットホーム(株)でデータを取り寄せることができます。

なので、マンションの場合、マンション名と部屋番号がわかれば査定可能なんです。

不動産登記簿謄本(登記事項証明書)を取り寄せる

お手元に不動産売買契約書や重要事項説明書がない場合は、法務局で不動産登記簿謄本を取得する方法があります。

登記簿謄本(土地)

登記簿謄本(建物)

 

 

不動産登記簿謄本をみれば、土地の面積、建物の延床面積が分かります。

 

 

 

不動産登記簿謄本とは …
不動産登記簿は土地・建物に関する所在・面積、所有者の住所・氏名、その物件の権利関係等が記載されていて、登記簿謄本とはその写しのことを言います。 不動産登記法により公示が義務付けられているので、手数料(登記印紙で納付)を払えば誰でも交付、閲覧が可能です。

センチュリー21 広宣より

誰でも取得可能ですから、不動産会社なら住居表示(住所)がわかれば、あなたの不動産の登記簿謄本を取得することなど容易いことです。

ただ、不動産登記簿謄本は、住居表示(住所)からストレートに取得することができません。不動産には地番、家屋番号というもので登記されているからです。

これについては、株式会社ゼンリンの「ブルーマップ」(住宅地図に地番が記載されている)を見るか、法務局に問い合わせをして住居表示から地番を教えてもらうという方法があります。

しかし、素人の方にはハードルが高いかもしれません。どうしても不動産登記簿謄本が取得したい場合は、「不動産登記簿謄本 取得代行」で検索していただければ、あなたに代わって取得してくれる会社が複数でてきますので、そちらを使うのが良いでしょう。

地番や家屋番号がわかっていれば、わざわざ法務局まで出向かなくても、インターネットで取得することも可能です。
取得の仕方は、法務省民事局作成の書類「登記事項証明書の請求にはオンラインでの手続が便利です」をご覧ください。

建築計画概要書(概要書)を取得する

あなたの不動産が一戸建てであれば、市役所又は都道府県庁(特定行政庁※)で建築計画概要書(概要書)を取得する方法もあります。

建築計画概要書(概要書)とは、文字通り建築計画の概要を記したものです。敷地面積・建物の大きさ・高さ・配置図などが記載されています。これをご覧になれば、「土地面積」、「建物面積」がわかります。

【見本】

建物を建築するには、工事をする前に建築確認申請書を提出して、建築基準法の規定に適合しているかどうかチェックを受ける必要があります。

この建築確認申請書に添付される書類の一つに「建築計画概要書」があります。確認申請書自体は、保存期間が終了すると廃棄されます。「建築計画概要書」はその建物がなくなるまで、特定行政庁※で保存されます。

※特定行政庁

建築主事を置く地方公共団体、およびその長のこと。建築の確認申請、違反建築物に対する是正命令等の建築行政全般を司る行政機関。

ウィキペディア(Wikipedia)より

建築計画概要書(概要書)は、昭和46年1月1日以降の建物であれば取得することができます。そして、平成11年の法改正で、中間検査の結果や検査済証の有無・発行番号まで記載されるようになりました。

不動産会社では、不動産売買の重要事項説明で、売買対象の物件が適法な建物であることを証明するために、この建築計画概要書を取得することが多いです。

土地面積・建築面積・延床面積・建物面積は何をみて調べるのか?まとめ

  1. 購入時の売買契約書又は重要事項説明書を見る
  2. 不動産登記簿謄本(登記事項証明書)を取り寄せる
  3. 建築計画概要書(概要書)を取得する

以上の3つの方法で、あなたの不動産の土地面積・建築面積・延床面積・建物面積を知ることができます。

「結構たいへんだな」「そんなの面倒くさいよ」とお思いであれば、はじめにもどって「だいたいでOK」なのですから適当な数字を入力しましょう。

購入時の売買契約書、重要事項説明書以外は、取得の仕方を知っていれば、誰でも合法的に取得できます。

ですので、不動産一括査定サイトで「土地面積」「建物面積」の入力項目に「だいたいでOKです」と書いてあるのです。

査定する不動産会社側で、不動産の正確な情報を調べることができるからです。

「だいたいでOK」、そのだいたいの数字をだす方法について次で解説していきます!

(3)簡単に概算で数字をだす方法

適当でいいと言っても、あまりデタラメな数字を入力すると、査定する不動産会社の人に疑われてしまうんじゃないの?」と不安に思われる方もいらっしゃるでしょう。

そのような方のために、概算で計算する方法をお伝えします。

あなたの不動産の間取りは、どのようになっていますか?

2LDK?、3LDK?、4DK?、4LDK?・・・

そして、そのお部屋は何畳(帖)ですか?

和室は6畳、洋室は6.7畳と8畳、LDKは15畳ぐらい、トイレは1畳ぐらいだし、お風呂は2畳ぐらいかな・・・

と頭の中でイメージできると思いますが、いかがでしょうか?

これがイメージできれば、あとは簡単です。

1階部分の畳数を合計して下さい。2階部分の畳数も合計してください(3階建なら3階部分も同様に)。

例えば、
1階部分が、25畳
2階部分が、15畳
だったとします。

1畳は0.5坪です。
1坪は約3.30578㎡です。

そうすると、

1階部分は
25畳 × 0.5 × 3.30578 = 約41.32㎡

2階部分は
15畳 × 0.5 × 3.30578 = 約24.79㎡
になります。

そうすると、「建物面積」は
1階約41.32㎡ + 2階約24.79㎡ = 約66.11㎡
になります。

ちなみに、建ぺい率の対象になる「建築面積」は、1階の約41.32㎡となります。

「土地面積」は、建ぺい率の制限を加味しないといけません。あなたの不動産の所在地によって建ぺい率は違うのですが、一般的に郊外は60%、都心は80%が多いです。

MEMO
あくまで概算ですので、あなたの不動産の所在地が、
郊外であれば、1.7倍
都心であれば、1.3倍
してください。

事例の不動産の場合の「土地面積」は、
「建築面積」約41.32㎡ × 郊外1.7 = 約70.24㎡
「建築面積」約41.32㎡ × 都心1.3 = 約53.72㎡
になります。

いかがでしょうか?

「ぜんぜん見当がつかない」という方でも、あなたの不動産の間取りのうち1部屋ぐらいは、何畳かご存知ではないでしょうか?その1部屋を基準に、比べていけば全体の畳数を計算できると思います。一度試してみてください。

まとめ

ここまで、「土地面積」「建物面積」「延べ床面積」「建築面積」の内容を解説し、その調べ方、および概算で計算する方法をお伝えしてきました。

不動産登記簿の内容を、誰でも調べることができることに驚かれたかも知れませんね。
不動産は高額な資産ですので、取引の安全のために、どんな不動産で誰が所有者かを公示しておく必要があるからです。

これで、タワーマンションや人気のマンションの所有者である「あなた」に、多くの不動産会社から「売りませんか?」というダイレクトメールが頻繁に届く理由もおわかりいただけたのではないでしょうか。

結論から言うと、

  1. 「土地面積」「建物面積」「延べ床面積」「建築面積」の内容がよく分からなくても、
  2. 不動産一括査定サイトの入力項目「土地面積」「建物面積」にデタラメな数字を打ち込んでも、

査定結果の正確性には影響しないという事です。

不動産一括査定依頼は、物件を特定する情報=物件の正確な住居表示(住所)があれば大丈夫なのです。
安心して利用しましょう!

あなたの不動産売却が成功することを願っております。

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菅 正秀

菅 正秀

■宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。 ▼大阪府大阪市生まれ。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。 その後、顧客と一緒にモノづくりをするために、地域中小建設会社に移り、注文住宅・賃貸マンションの受注営業を担当。大手建設会社との競合が激しい中、操業以後に流入してきた近隣住民のクレームにお悩みの経営者さんに、不動産会社時代の人脈を使い工場の移転先を斡旋した上で、その跡地に93戸の賃貸マンション建設の受注をするなど、15年間で約32億円の受注する実績をあげる。 現在は、建築にも明るい不動産コンサルタントとして、不動産会社のエスクロウ業務(契約管理)・新人社員指導等を行なっている。ステレオタイプの不動産会社のイメージを払拭して、顧客と不動産会社が健全なパートナーシップを結べる一助なるコンテンツ作成を心がけている。