住宅ローンが残っているマンションでも売却(査定依頼)できる?リスクはないの?

住宅ローンが残っているマンションでも売却(査定依頼)できる?リスクはないの?

今住んでいるマンションを売却したいと考えています。
ただ、心配なのは住宅ローンが残っていることです。
まだ返済できていない借金が残っているマンションでも売却することは可能なのでしょうか。
売れるのかどうか?売り方はどうすればいいのか?住宅ローンが残っている場合のリスクや実際に売却事例があれば教えてほしいです。

Kyo.N

多くの人はマンションを購入する場合、住宅ローンを利用して購入します。

長期の借り入れになりますので、借り入れが終わる前にライフスタイルが変わり、マンションを売却しようとする人も少なくはありません。

住宅ローンが残っていても売却は可能です。

それでは、住宅ローンが残っている場合の売却方法やリスク、実例などについて詳しく解説していきましょう。

この記事に登場する専門家

とちかつのトリセツ

Kyo.N

宅地建物取引士、賃貸経営管理士、米国不動産経営管理士。
大学卒業後、証券会社に勤務、その後、不動産会社へ転職。
賃貸仲介・売買仲介・管理業務と不動産全般を経験し、現在は金融の知識も生かしコンサルティング業務を行う。20年超の勤務経験と、不動産全般を経験した知識から、さまざまな角度から不動産経営や投資についての悩みを解決する。

多くの人が住宅ローンを残したまま売却している

前述しましたが、多くの人が住宅ローンを利用してマンションを購入しています。

つまり借金をして、月々返済しながらマンションに住んでいるのです。

最長35年間のローンを組んで購入します。

35年もの長期間となれば、当然住んでいるマンションが今のライフスタイルとって不便になることもあるでしょう。

例えば・・・

ライフスタイルが変わる理由
  1. 転勤になって住めなくなった
  2. 子供が独立して住んでいるマンション程の広さが必要なくなった
  3. 住宅ローンの支払いが厳しくなった

などが主な理由として考えられます。

しかし、他にもさまざまな理由があり、住宅ローンが残っていても売却しようと考える人はとても多いですし、実際に売却されているのが現状なのです。

住宅ローンが残っているマンションを売却するときの注意点

住宅ローンが残っていても売却は可能なのですがいくつかの注意点があります。

ここからは、住宅ローンが残っているマンションを売却するときに行わなければならない注意点について解説しましょう。

住宅ローンが残っているマンションを売却する注意点
  1. 抵当権を抹消する
  2. 金融機関への違約金を知っておく
  3. 管理費や修繕積立金の滞納がないかを確認する
  4. 売却による手取り金額を把握しておく

抵当権を抹消する

金融機関は、住宅ローンによってマンションを購入するお金を貸す担保として、マンションに抵当権を設定します。

抵当権
抵当権とは、ローンを払えなくなった場合の担保として設定する権利のことをいいます。

抵当権を抹消しなければマンションを売却することはできません。

では、どうすれば抵当権を抹消できるのでしょうか。

答えは、借りているお金を全額返済すると抵当権は抹消することができます。

つまり、返済できなければ抵当権は抹消できず、売却することはできないのです。

抵当権を抹消するために行うことは、抵当権設定契約を交わしている銀行に抵当権抹消を依頼しなければいけません。

若しくは、売却を依頼している不動産会社に相談すると、不動産会社があなたに代わって対応してくれる場合もあります。

抵当権を抹消するとき、最初に行うことは銀行への問い合わせか不動産会社へ問い合わせを行うと抵当権の抹消手続きはスムーズにできるでしょう。

残っている残債よりも高い金額でマンションが売却できると、マンションの売却費用を、ローンの残債に充当することができるので問題はありません。

逆に、ローンの残債額よりも安い金額で売却してしまうと、自己費用によって足りない分を返済しなければ抵当権を抹消することができないのです。

住宅ローンが残っているマンションを売却する場合に、一番注意しなければならないポイントでもあります。

マンションの売却を考えていて住宅ローンが残っている場合は、近隣の売却事例や、マンションの売却査定を行いましょう。

そして、自分のマンションの売却予想金額が、ローン残債を上回る売却金額なのかどうかを前もって調査しておくことが大切です。

金融機関への違約金を知っておく

ローンの残債を支払う場合に注意しておかなければならないのが金融機関に対する違約金です。

Kyo.N

住宅ローンの契約内容によっては、途中での全額返済は違約金を支払わなければならないケースがあります。

金融機関もコストをかけてお金を調達し、住宅ローンとして融資しています。

しかし、短期で一括返済されてしまうと本来得られるべき利息を得ることができずに調達コストがかかった分赤字になってしまう場合があります。

途中で全額返済されても赤字が出ないように、途中での返済の場合は違約金がかかる契約になっている場合があるのです。

違約金はあらかじめ決められた利率にローンの残高を掛けて違約金額が決まります。

融資を受けるときにかわす金銭消費貸借契約書に違約金に対する取り決めがされています。

オーナー

この違約金を無しにすることはできるのでしょうか?
基本的には、無しにすることはできません。

Kyo.N

当初にそういった契約を交わしていますし、銀行が損をしている可能性もありますので違約金を無しにはできないのです。

しかし、必ずしも違約金がかかるということでもありません。

例えばマンションを売却した後、住み替えのために新しいマンションを購入し、新たに住宅ローンを組むことを検討しているとしましょう。

その際、返済した銀行に再度住宅ローンをお願いするつもりであることを前もって伝えておくと違約金を無しにしてくれる(そういったご提案の)可能性もあるんです。

違約金については金融機関によってさまざまなので、必ず住宅ローンを組んでいる金融機関に確認するようにしましょう。

管理費や修繕積立金の滞納がないかを確認する

住宅ローンが残っている場合だけで良いというわけではありませんが、修繕積立金や管理費の滞納がある場合はきちんと精算をしなければ売却はできません。

修繕積立金
修繕積立金とは分譲マンションの共用部分を「大規模修繕」するために、毎月積み立てておくお金のことをいいます
管理費
管理費とは分譲マンションの共用部分における保守運用するために毎月徴収するお金のことをいいます

厳密にいうと、滞納していても売却は可能なのですが、売却後、滞納金は買主が負担することになります

当然ながら、自分が所有していない期間の滞納金を肩代わりする人はほとんどいませんので売却することは難しいでしょう。

滞納金額をなかったことにすることはできません。

もちろん、契約書に記載されていなかったとか、重要事項説明に際にも説明されていなければ話は別です。

しかし、基本的にはマンションを購入したときに重要事項説明においても確認し、契約書に記名押印している以上、「払わない」ということはできないのです。

以前このような事例を経験したことがあります。

【私の実例】滞納があってマンション売却に赤信号

私のお客様で、中古マンションの購入を検討されていた方の仲介を行ったときに起こったケースです。

売主にはローンの残債がありましたが、売却金額でローンの返済が行えるということで契約に向かって進んでいました。

しかし、買主側の不動産会社がマンションの調査を進めていくと、修繕積立金や管理費を約50万円滞納していたことが発覚したのです。

売却代金から50万円を滞納金に充当してしまうとローンの残債を支払うことができなくなり、契約が流れてしまうかもしれない事態になりました。

結果として、買主側の不動産業者が調査不足ということで、仲介手数料を大幅に値引きし、また残りは売主が自己負担することでなんとか契約が成立しました。

ローンの残債をマンションの売却代金で充当しようと考えている場合は、修繕積立金や管理費の滞納など、他に支払うべきものがないかどうかを確認しておく必要があります。

売却による手取り金額を把握しておく

売却した金額がそのまま手元に残るのかというと、そうではありません。

売却するのは色々な費用がかかります。

主な費用としては

  1. 仲介手数料
  2. 抵当権の抹消費用
  3. 金融機関への違約金
  4.  譲渡税や印紙税などの税金関係

Kyo.N

一般的に言われているのは売却費用の5~7%の費用が売却費かかる費用だといわれています。

このような費用を差し引いた金額が手残り金額となりますので、手残り金額より少ないローン残高である必要があります。

OKパターン

売却金額-ローン残高ー諸費用>0

NGパターン

売却金額-ローン残高ー諸費用<0

査定を行う不動産会社によっては、手残り金額まできちんと算出してくれますので、売却金額ではなく手残り金額をしっかりと把握しておく必要があります。

勘違いしている人も多いのでここはきちんと押さえておきましょう。

売却を依頼したのに不動産会社に断られる?仲介を嫌がられるケースって何?

マンションの売買を依頼しようと思っていたのに、不動産会社から仲介を嫌がられて断られるケースもあるんです。

オーナー

それはどのような場合なのでしょうか?
ローンの残高がまだ残っていて売却できたとしても、ローンの残高が払えない場合などが該当します。

Kyo.N

前述しましたが抵当権を外さないことには売買は成立しません

抵当権を外すには、ローンを全部返済することです。

しかし、売却してもローン残高に届かずに、抵当権が外れないなどという事態になってしまえば仲介した不動産会社も責任を問われます。

売却金額でローンを全て払えるかどうかという基準で仲介を引き受けるかどうかを判断するケースもあるので、不動産会社も売却を依頼されたらすべて仲介するというわけではありません。

任意売却という選択肢

オーナー

住宅ローンの返済もできないし、売却してもローンの残高に足りない。

このような場合には、自己破産するしかないのでしょうか。

このような場合に利用される手法が任意売却です。

Kyo.N

任意売却とは、住宅ローンが払えない、売却してもローン全ては払えないといった場合、金融機関の同意を得て売却する方法です。

任意承諾に了解をとることができるとローンの残高に足りなくても売却することができます。

任意売却のメリット・デメリット

では、任意売却にはどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか?

メリットは、売却方法は仲介のときと同じような売却ができるという点です。

任意売却をしているなどとご近所の方に知られたくはありませんよね。

任意売却ならば通常と売却方法が変わらないので、任意売却と分からずに売却することが可能です。

デメリットは、金融機関の承諾を得にくいといった点でしょう。

任意売却を認めることにより、金融機関は担保がない状態で返済してもらわなければいけません。

金融機関は余計なリスクを背負ってしまいます。

なかなか金融機関の承諾を得にくい点は大きなデメリットといえます。

ローンが生活をかなり苦しめて支払いが滞るかもしれないと不安な生活を送っている人にはおススメしたい手法です。

冒頭でも載せていたローンが残った状態での売却イメージをもう一度参考にしてみてください。

売却の成功は不動産会社(パートナー)と密接な関係を築けるかが重要

マンションの売却をスムーズに行うためには、不動産会社(パートナー)との密接な関係性を保っておく必要があります。

連絡の不備があって、マンション売却の壁になるケースも少なくはありません。

では、良い不動産会社(パートナー)とはどのような人たちを指すのでしょうか。

信頼される不動産会社(パートナー)とは

  1. 連絡や報告(状況の共有)をこまめに行ってくれる
  2. 悪いケース(ネガティブなこと)でも誠実に報告してくれる
  3. 自己ではなく、あなた(お客様)のために動いてくれていると実感させてくれる

このような不動産会社とうまく連携をとっていくことで、スムーズに売却できる可能性が大きく高まります。

私は不動産会社としてマンション売買の仲介をたびたび行っています。

お客様に信頼されていないと、うまく連携が取れずに後々大きなトラブルに発展する例をいくつも目撃しています。

最悪の場合、仲介手数料を支払ってもらえなかったり、損害賠償を請求されたりする例も(体験はしていませんが)、いくつも見聞きしています。

不動産を売却する際には必ず媒介契約を行います。

この「媒介契約」には主に3つの種類があります。

  1. 一般媒介契約
  2. 専任媒介契約
  3. 専属専任媒介契約

それぞれわかりやすくメリットデメリットで解説します。

契約名 特徴
一般媒介契約 複数の不動産会社に売却依頼をしても、自分で見つけた買主と取引してもOK。
その分、締結会社の本気度は低くなる恐れがある。
専任媒介契約 他の不動産会社との媒介契約の締結ができなくなる。
不動産会社同士の競争を心配せずに売却に取り組むことができるため、締結会社の本気度は高くなる。
専属専任媒介契約 他の不動産会社との媒介契約の締結および自分で見つけた買主との取引ができなくなる。
一方で専属専任媒介契約を締結した不動産会社の売却に対する本気度は高まる。

この、媒介契約の期間は3ヶ月ですので、信頼に足る動きを見せない不動産会社と感じてしまったら、3カ月経過して契約を終わらせてしまうことも一つの方法です。

そのためには契約期間が終わったときに、他の不動産会社にすぐに切り替えられるように前もってアプローチしておきましょう。

それだけ不動産会社の力はマンション売却にとって欠かせません。

マンション(中古)に特化した不動産一括査定を提供しているサイト「マンションナビ」は、全国の多くの範囲を網羅しているので試してみてもいいかもしれせん。

また、マンションの売却を前向きに検討されている方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

マンション売却の査定額の決め方は?査定額を高くするための注意点

マンション売却の査定額の決め方は?査定額を高くするための注意点を教えてください。

金融機関との連携も忘れずに行おう

住宅ローンが残っている場合は抵当権を抹消しなければいけないので、金融機関に前もって売却の意思があることや、売却の依頼をした際などはきちんと報告しておきましょう。

金融機関にとっても急に売却が決まって全額返済するといっても、前もっての準備が必要です。

私の経験上、売却が決まってお金の決済の前日に初めて金融機関に連絡されたお客様がいらっしゃいました。

私は、買主側の不動産会社としてお手伝いをしていたのですがお金の決済日に抵当権の抹消ができなくなってしまい、大幅にお金の決済日が遅れてしまったケースがありました。

お金を全額返済するのに前もって連絡の必要はないだろうと思っている人も少なくないようです。

お金の決済が遅れてしまうとすべての予定が大幅に狂ってしまい購入者にも大きな迷惑をかけることになってしまいます。

もしかすると、売買が中止になるようなことも考えなければいけません。

金融機関には前もって、全額返済することや、契約の日にち、決済の日にちなどは前もって伝えておきましょう。

住宅ローンが残っているマンションでも売却できる?:まとめ

住宅ローンが残っているマンションでも売却(査定依頼)は可能ですし、多くの人が利用しています。

しかしながら、売却代金でローンの残債を返済しなければいけないケースが多いので

  1. 残債に満たない金額で売却してしまった。
  2. 他の支払いのことを忘れてしまってローンの返済額に満たなかった。

など思うような売却ができなかったという人も多いことも事実です。

売却しようと思った場合は、最低でもローンの残債がどれくらいあるのかということ。

売却した場合の売却金額や手の故地の金額はどれくらいになるのかということは最低限でも把握しておきましょう。

住宅ローンが残っている人でマンションが売れるかどうかを悩んでいる人がいたら、この記事によって、悩みが少しでも解消できれば幸いですね。

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Kyo.N

Kyo.N

宅地建物取引士、賃貸経営管理士、米国不動産経営管理士。 大学卒業後、証券会社に勤務、その後、不動産会社へ転職。 賃貸仲介・売買仲介・管理業務と不動産全般を経験し、現在は金融の知識も生かしコンサルティング業務を行う。 20年超の勤務経験と、不動産全般を経験した知識から、さまざまな角度から不動産経営や投資についての悩みを 解決する。