築30年以上の一軒家ですが、築年数に関係なく売却(査定)はできますか?

築30年以上の一軒家ですが、築年数に関係なく売却(査定)はできますか?

現在、住んでいる戸建て住宅を売却したいと思っています。
築年数が古くて、30年以上経っているいわゆる古家です。
古い戸建てなので売却できるかが不安です。
先日、近くの不動産会社に相談に行ったら、古くて査定できないといわれました。
実際に築年数が古い戸建ては、売却どころか査定もできないのでしょうか?

Kyo.N

近年では不動産の査定をするときに一番活用されているのが不動産一括査定サイトといわれるものでしょう。

古い家の売却は、実際に値段が付くかどうかが非常に不安で、売却ができないと考えている人も多いようです。
古い家を査定してくれないのではないだろうか?」「たくさんの修繕費用をかけないと売れないのではないか?」などと不安が考えられます。

この記事では、築年数と売買価格の関係性や、築年数が古くても売れるケース・売れないケース、どこに査定を頼めばいいのかなど、古家所有者の悩みを解決できればと思います。

この記事に登場する専門家

とちかつのトリセツ

Kyo.N

宅地建物取引士、賃貸経営管理士、米国不動産経営管理士。
大学卒業後、証券会社に勤務、その後、不動産会社へ転職。
賃貸仲介・売買仲介・管理業務と不動産全般を経験し、現在は金融の知識も生かしコンサルティング業務を行う。20年超の勤務経験と、不動産全般を経験した知識から、さまざまな角度から不動産経営や投資についての悩みを解決する。

日本人は、一度買った家を売らない

日本人は、一度買った家を売らない

日本では、一旦住まいを購入すると終の棲家として長い間住み続けるという慣習です。

世界の先進国では、家も運用資産と考えていて、自宅を購入してもチャンスがくれば、高く売却して次に移り住むという意識が強いといわれています。

以下の表は、日本を1とする、諸外国の移動率を算出したデータです。
移動性向指標が高いほど、住まいを変えて移動しているといえます。

国名 移動性向指標
日本 1.0
フランス 1.432
イギリス 1.599
オランダ 1.653
韓国 1.841
中国 0.442
マレーシア 0.867
アメリカ 1.590

出典:人口問題研究所「人口移動の国際比較

隣国である韓国や、欧米先進国は、日本よりも移動、つまり引っ越しを多くしていることがわかりますね。
つまり、日本は世界各国に比べると一旦購入して住んだ家は、なかなか売らないのです。

原因のひとつが、築年数が経過した家の売却価格にあります。

世界各国では、築年数が経過してもDIYやリノベーションで家の価値を上げて、購入時より高値で売却しています。
しかし、日本では、築年数が古くなると家の価値がどんどんなくなっていくのです。

なぜ築年数が古くなると家の価値がなくなっていくのか?詳しく解説していきましょう。

築年数は価値(売値)に大きく関係している

結論から先に述べると、築年数は、家の価値に大きく影響します。

居住用不動産の査定を行うときに、価格算定に影響するのが築年数です。
これは、国が定めた耐用年数が大きく関係します。

MEMO
耐用年数とは、不動産などの資産が利用に耐えられると判断される年数のこと

日本における、居住用不動産の耐用年数は、

  • 鉄筋コンクリート造で47年
  • 木造で22年

です。

日本における戸建て住宅はほとんどが木造住宅です。

つまり、22年以上の築年数の建物は価値が無いと判断され、基本的には土地価格のみでの売買査定となってしまいます。

逆に邪魔? 築35年の戸建てを売却したときの実例

古い家があるために逆に売却価格が安くなってしまう実例。

私は、何度も築年数の古い戸建て住宅を売却しており、売却価格が安くなったあるケースを紹介します。

築35年の戸建て住宅の売却依頼を受けました。査定したところ、前述しましたが、家の価値は耐用年数オーバーでゼロと査定します。土地の価格のみで査定し、募集したところ早速お問い合わせがきたのです。

しかし、購入希望者は購入後、新築の戸建てを建てたいとの目的があり、現在建っている戸建て住宅の解体を購入条件として交渉が入りました。
つまり、築年数が古い戸建てがあるので、解体して更地の状態で売ってほしいとの要望だったのです。

売主に交渉したところ、解体費用分を差し引いて売却するということに落ち着き、売買契約は成立しました。

建物は確かに古いのですが、リフォームすれば十分に使用できる状態なのに、売却となると価値が無いと判断されます。
しかも、解体を希望される場合は、解体費用分がかかるので、かえって安くなってしまうのです。

30年以上(40,50,60年)でも売却できるのか

30年以上(40,50,60年)でも売却できるのか

築年数が30年以上の戸建てでも売却は可能です。

築年数が古くなってくると、さらに売却が難しくなるように感じてしまいます。

実際は、築40,50,60年と物件が古くなればなるほど売却しにくいのかといえば、そうではありません。

基本的に築25年を超えると建物価格はゼロなので価値としてはつけにくいのが現状といえるでしょう。
しかし、古くなれば古くなるだけの良さが見直され売却に繋がるケースもあるのです。

築年数が経っても売れるケースと売れないケースの違い

築年数が古い物件において、売れるケースと売れないケースはどのようなものがあるのでしょうか。

売れるケース

築年数が古くても売れるケース
  1. 古民家として再生
  2. メンテナンスがしっかりしている
  3. ホームインスペクションで不安を無くす
が挙げられます。

売れないケース

築年数が古くて売れないケース
  1. 建物がボロボロでとても住めない
  2. 解体後、戸建てを建てることができない

などがあります。

ここからはケース別に紹介していきましょう。

売れるケースその① 古民家として再生

売れるケースその① 古民家として再生

近年、日本家屋の古さを強調したリノベーションが盛んになっています。
原因のひとつは民泊です。

日本の旅行に来た外国人が、日本古来の建物に住みたいという要望が多く、古民家仕様の民泊住宅などがつくられています。
築年数が古い戸建てを購入し、古民家風のリノベーションを行い、不動産投資を行うのです。

また、築年数が古い戸建てを古民家風カフェとしてリノベーションして活用しているケースも見受けられます。
築年数が古くなればなるほど、希少価値は高まるので、日本の税法上価値はないと判断されるのですが、築年数の古さを逆に長所にしてしまうことも可能です。

売れるケースその② メンテナンスがしっかりしている

建物は、きちんとメンテナンスをすれば耐用年数以上に居住することも十分可能です。
しかし、メンテナンスを怠ってしまうとデザイン的にも見苦しく、買いたいという気持ちを萎えさせてしまいます。
築年数がたっているようには分からないくらいにしっかりとメンテナンスをしていると十分売却は可能です。
建物の価値も売却金額に加味することもできるので、建物をいい状態に維持していくことが大切なポイントです。

売れるケース➂ ホームインスペクションで不安をなくす

なぜ、古い建物が売れないかという理由のひとつに、購入後に修繕費用がかかってしまうことが不安材料となるからです。一見して見ただけではわからない部分での修繕費用を考えてしまいます。

築年数が古くなればなるほど、設備などの老朽化が進むのでどうしても避けられる傾向はあります。
2018年に宅建業法が改善されて、説明が義務化されたのがホームインスペクションです。

MEMO
ホームインスペクションとは、住宅診断のこと。

資格を持った住宅診断士が、全門下の立場から、住宅の老朽化の進行程度や欠陥があるかないかの調査、今後起こりうる修繕箇所や時期についてアドバイスを行います。

日本ホームインスペクターズ協会
https://www.jshi.org/what/

不動産売買において、まだまだホームインスペクションの認知度は低いのですが、売主がホームインスペクションを行い、建物に大きな欠陥がないことを証明します。
買主は、不安材料がなくなりますので比較的売りやすくなるのです。

ホームインスペクションは、そもそも中古不動産の流通を促進する目的で宅建業法が改正されています。
ホームインスペクションを活用することにより築年数が古くても売りやすくなるのです。

売れないケースその① 建物がボロボロでとても住めない

売れないケースその① 建物がボロボロでとても住めない

築年数が古い戸建てに価値を付けて売るためには、住める状態になっていることが前提条件ですね。
しかし、なかにはとても住むことができないくらいにボロボロの物件などはなかなか売れません。

誰も住まなくなって長期間ほったらかしにしているようなケースもよく見受けられます。
この場合、更地にして売り出した方が売れやすいのですが、すぐに更地にすると固定資産税が高くなってしまいボロボロの空き家状態にしているのです。

MEMO
固定資産税とは、毎年1月1日時点の所有者に課される税金、固定資産税評価額の1.4%と0.3%の都市計画税が発生する。

建物があるケースと無いケースでは、固定資産税額が3倍
小規模宅地制度を利用できると6倍の差があります

売れないときのことを考えて、更地の状態ではなく売らないといけないのですが、なかなか売れないケースとなるのです。

売れないケースその② 解体後、戸建てを建てることができない

築年数が古い戸建てが建ったときには家を建築することが可能だったので家を建てました。
しかし、年数が経過して隣接する道路の状況が変わったときに、家を建築することができない場所になってしまうケースがあります。

建築不可の土地です。

建築不可とは、建築基準法上の隣接道路の基準を満たせていない土地のこと。
この場合、古い戸建てをそのまま活用することでしか利用することができません。
しかし、古い戸建てを利用して購入したとしても、出口で売却が難しいのでなかなか売れないのです。

築30年以上の古い家でも査定はしてもらえるのか

今までは、築年数が売れるかどうかについての説明を行いましたが、そもそも査定は可能なのか?

基本的に、査定は可能です。

近年、価格査定においておすすめのシステムがあります。

不動産一括査定サイトです。

MEMO
不動産一括査定サイトとは、インターネット上で情報を入力すると複数の不動産会社から査定価格が届くシステムです。

不動産一括査定サイトについて徹底解説していますので、よかったら目を通してみてください。
【不動産一括査定・不動産一括査定サイト】これさえ読めば絶対に後悔しない

不動産一括査定サイトは現在主要なサイトだけでも20サイト程あり、それぞれに得意分野があります。

不動産一括サイトごとの特徴

不動産査定一括サイトの特徴
  1. マンションに特化したサイト
  2. 農地や山林まで取り扱っているサイト
  3. 提携会社が大手のみ6社と厳選されたサイト

他にもサイトごとの特徴がありますが、築年数が建っている戸建てはどのようなサイトを選べばいいでしょうか。

不動産一括査定サイトを選ぶポイント
  1. 土地の査定を取り扱っている
  2. 提携会社が多い
  3. 訳あり不動産物件まで取り扱えるか

不動産一括査定サイトの中にはそれぞれの強み弱みがあるので、築年が経っているケースにも対応できるサイトを選ばなくてはいけません。

上記のような特徴がある不動産一括査定サイトならば、築年数がたっている戸建てにも対応できるでしょう。

 幅広い種類の不動産に対応のおすすめ不動産一括査定サイト

イエウール公式サイト 特徴や評判
 提携数、サービス利用者数No.1
イエイ公式サイト 特徴や評判
 1700社以上の登録社数
いえカツLIFE公式サイト 特徴や評判
 3つの手法であなたの不動産を一括査定

築年数が古い戸建ての査定における注意点

査定を依頼した後、売主の要望通りの金額で売却できるに越したことはありません。
しかし、いくつか注意しておかなければいけないケースが想定されます。

査定後に考えられる注意点や対策について考えてみましょう。

査定ができなかった

建物の状況により査定ができないケースが考えられます。
査定ができない場合は、売るには厳しいと思われているわけですので、売れるような状況に変えなければいけません。
更地にする方法もひとつでしょう。
若しくは、リノベーションして賃貸に出すといった方法も考えられるでしょう。

その場合、査定(売却)とは別に、土地活用(収益化できる不動産にする)に関するプランを提案してくれる一括サイトもあります。

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タウンライフ土地活用

こちらもぜひ活用してみてください。

なかなか売れない

査定金額で募集してもなかなか売れないという場合にはどのような対策を考えておけばいいのでしょうか。

なかなか売れない場合のもっとも効果的な方法として金額を下げることが考えられます。
売買に一番影響がある金額を調整することで動かなかった戸建てが売りやすくなるのです。
しかし、どうしても金額を下げたくない場合はいったん売りやめにして状況が改善したときに再度募集に上げるといった方法も効果的です。

想像以上に安値だった

自分の想定売却金額よりも安い査定しか出なかった場合はどうすればいいのでしょうか。

これはシンプルに、他の不動産一括査定サイト(不動産会社)に査定依頼を行いましょう。

当然ですが、不動産会社によって査定額というのは異なりますので、たまたま安かった可能性も考えられます。
他の査定ならば満足できる査定額になるかもしれません。

複数の不動産会社が安い査定価格であれば、基本的には想定金額が高かったということになりますので、いったん売るのをやめるか賃貸に出す方法なども検討しましょう。

まとめ

近年は、スローライフという考え方で田舎暮らしに憧れる人も多いです。

築年数が古い建物は、スローライフを楽しもうと考えている人に好んで購入されます。
さまざまな利用方法により、以前に比べるとはるかに好まれている傾向があります。

しかし、査定の方法や査定先を間違えると、思うような売却はできないでしょう。
この記事が、古い戸建ての売却の手助けとなれば幸いです。

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Kyo.N
宅地建物取引士、賃貸経営管理士、米国不動産経営管理士。 大学卒業後、証券会社に勤務、その後、不動産会社へ転職。 賃貸仲介・売買仲介・管理業務と不動産全般を経験し、現在は金融の知識も生かしコンサルティング業務を行う。 20年超の勤務経験と、不動産全般を経験した知識から、さまざまな角度から不動産経営や投資についての悩みを 解決する。