近年、所有する不動産を売却するときには、いきなり近所の不動産会社に相談するのではなく、インターネットを使って「不動産一括査定サービス」を利用する人が増えています。
(2016年 株式会社LIFULL実施のアンケート結果 サンプル数541人)
自分の方から不動産会社に電話をしたり、訪問したりするにはハードルが高いですし、複数の会社の意見を聞こうとすると大変手間暇かかります。
それが、この「不動産一括査定サービス」を使うと、自宅にいながらインターネットで、1回必要情報を入力して送信ボタンをポチっと押せば一瞬で複数の会社に所有不動産の査定を依頼できてしまうのですから、人気のサービスになるのも納得できます。
ただ、この不動産一括査定サービスができるサイトが増えており、私が調べただけでも36サイトもあります。これだけ沢山あると、どのサイトのサービスを使ったらいいのか迷ってしまいます。
そこで本記事では
「HOME’S売却査定(ホームズ売却査定)」は、
- 安心して利用できるサービスなのか
- 運営している会社は大丈夫なのか
- 他サイトのサービスと実際何か違うのか?
- どんな地域のどんな不動産でも査定してもらえるのか?
- 利用の仕方はどのようなものか?
について、詳細にレポートします。
この記事を最後までお読みいただければ、「HOME’S売却査定」があなたにとって使えるサービスなのか、また実際どのように申し込むのかまでご理解いただけます。
この記事に登場する専門家
菅 正秀
宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。
大阪府大阪市生まれ。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。ステレオタイプの不動産会社のイメージを払拭して、顧客と不動産会社が健全なパートナーシップを結べる一助なるコンテンツ作成を心がけている。
土地の最適な活用方法を一括提案!
(1)HOME’S売却査定(ホームズ売却査定)ってどんなサービス?
HOME’S売却査定のサービスを一言でいえば、一回の情報の入力で、全国1758社の不動産会社のなかから、最大10社までご自身で選び一括してご所有の不動産の査定を依頼できるものです。
概要を一覧表にまとめました。
サービス開始時期 | 2008年 |
運営会社 | 株式会社LIFULL(東証一部上場) |
利用者数 | 476万人 |
対象エリア | 全国 |
提携不動産会社数 | 1769社 |
同時依頼社数 | 10社 |
不動産会社の選択 | 可能 |
査定可能な不動産の種類 | ・マンション ・一戸建て ・土地 ・倉庫・工場 ・一棟物件(投資用) ・区分所有(投資用) |
まずは、運営している会社がどんな会社なのか確認してみましょう。
株式会社LIFULLは、本社を東京都千代田区麹町1-4-4におき、資本金3,999百万円、従業員数1,274名の東証一部上場企業です。会社の規模からいえば十分信頼できると言えるでしょう。
また「HOME’S」といえば賃貸で有名な不動産物件ポータルサイトを運営しています。現在は賃貸だけでなく、住宅購入・注文住宅、リフォーム・リノベーションから不動産投資まで、不動産に関するあらゆる情報を探せる大きな情報サイトになっています。あなたも住宅探しで利用したことがあるかもしれませんね。
次に重要なのは個人情報保護の取り組みです。査定依頼をするにあたり、個人情報の入力は不可欠になります。この個人情報が流出することがあってはなりません。
この点についても、HOME’S売却査定は対応しています。
ホームページ上で、
ISMSを取得し、お客様から入力していただく個人情報を含め、全ての情報についてISO 27001に基づく管理を行い、情報セキュリティを確保しています。
と明記しています。個人情報保護についても問題ないと言えるでしょう。
Information Security Management System(情報セキュリティ管理システム)の略語です。企業の情報セキュリティに関する取り組みを評価する国際規格になっています。
結論:HOME’S売却査定は安心して利用できる。
(2)HOME’S売却査定で査定できる物件について
査定可能な物件の種類は上記一覧表にも記載しましたように、
・一戸建て
・土地
・倉庫・工場
・一棟物件(投資用)
・区分所有(投資用)
と他の一括査定サービスに比べて幅広く対応しています。
なかでも、倉庫・工場に対応しているのは大きな特徴です。
倉庫・工場は、住宅と異なる点から査定をしなければならないので、住宅やマンションばかり扱っている不動産会社では査定することはできません。
例えば、倉庫であればプラットホーム型かどうかや天井高がどれくらいとか、工場であればホイストクレーンがついているのか、ついていれば何トンのものか等によて査定が変わってきます。なので、これらのことを理解している不動産会社に査定依頼することがポイントになります。
HOME’S売却査定は、不動産情報のポータルサイトを運営しているので、倉庫・工場を得意にしている不動産会社も掲載できていると推察されます。
また、マンションに関しても、投資用と居住用に分けています。
そして投資用については、さらに一棟物件と区分所有とにわけています。これも、不動産情報のポータルサイトを運営している経験から不動産会社の実情を把握しているHOME’S売却査定ならではの区分になります。
大手、中小にかかわらず住宅系の不動産会社は、区分所有の投資用マンションまでは対応できますが、一棟物件につては不得手です。物件の収益性から査定することはできても、実際に購入希望者を探すのは難しいでしょう。取引数が乏しいので見込み客のストックがありませんし、新たに探すノウハウも持っていません。
このように、不動産会社の実情を把握しながら、ユーザーの査定希望とのマッチングを考えた査定できる物件の区分は好感が持てます。
(3)HOME’S売却査定の5つの強み
②掲載している不動産会社の紹介内容が詳しい
③「匿名査定」が利用できる
④電話相談も利用できる
⑤相場だけ知りたい人向けの便利サービスがある
HOME’S売却査定は、運営会社が東証の上場企業であることや個人情報の取扱が優れていることの他にも以下の5つの強み(メリット)があります。以下順を追って解説していきます。
①掲載している不動産会社数が最も多い
掲載している不動産会社は、この記事執筆時現在で、1769社になっています。これは数ある売却査定サイトのなかでも最大級の多さです。
掲載している会社が多いということは、あなたの物件を査定できる会社の数が多くなりますので、それだけ選択肢が広がることになります。
②掲載している不動産会社の紹介内容が詳しい
他の売却査定サイトより不動産会社の紹介ページが詳しいです。
通常の会社内外の写真やプロフイールだけでなく、「ここが強み」や「ひとことアドバイス」など踏み込んだ内容になっています。査定を依頼する不動産会社を選ぶときに便利です。
筆者の知人の不動産会社の社長は、この紹介欄をプロのライターに依頼して作成していました。不動産会社もユーザーに選ばれるために懸命にアピールしています。よく読んでご自身の所有する不動産を得意とする会社を選ぶようにしましょう。
③「匿名査定」が利用できる
これは他の売却査定サイトにはない機能になります。
普通は、査定を依頼する物件の内容と依頼者の氏名や電話番号などの個人情報を記入しなければなりません。
そうすると、「まだ売却するかどうか決めていないのに、断れなかったらどうしよう」とか「多くの査定を集めて検討したいが、多くの会社からの営業に対応するのは大変だ」という不安が湧いてくると思います。
このような方むけに、物件情報のみの登録で物件の概算価格がわかる「匿名査定」という機能を用意しています。
仕組みは、以下のようになっています。
- 依頼者は、 HOME’Sに物件情報とメールアドレスをに教えます。
- HOME’Sは不動産会社に物件情報を通知して査定を依頼しますが、メールアドレスは通知しません。
- 不動産会社は査定をして、HOME’Sに通知します。
- HOME’Sは査定ができた旨をメールで通知し、依頼者は査定の結果を専用の画面で確認できます。
④電話相談も利用できる
これも、不動産売却を考えているユーザーに親切な機能です。
不動産を売却するのは初めてという方が大半でしょう。初めてやることは何かと不安なものです。不動産アドバイザーによる電話のサポートを受けられるのは、とても心強いでしょう。
実際にこのサービスを利用して売却が上手くいいたユーザーの口コミがネットにあがっていました。
ただし、今のところ東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・愛知・福岡のみのサービスになっていますので注意が必要です。
⑤相場だけ知りたい人向けの便利サービスがある
「すぐには売却しないが、自分の所有の不動産の大体の価格は知っておきたい。」という方もいらっしゃると思います。そんな方にも、HOME’Sは便利なサービスを用意しています。
マンション価格が簡単にわかる「プライスマップ」と、実際に売り物件として市場に出ている情報をもとに、マンション、一戸建て、土地の相場情報を調べることができる「価格相場」というサービスです。不動産情報のポータルサイトを運営しているHOME’Sならではのサービスになります。
実際に筆者も使ってみましたが、非常に簡単で使いやすかったです。
マンションの「プライスマップ」は地図上にマンションを示す丸印があり、それをクリックするとすぐにマンション名と価格が出てきます。また地図の縮尺を拡大すると航空写真に変わり、実際のマンションの外観がわかり、調べるのが楽しくなりました。
ユーザーは、売却する予定もないのに不動産会社から営業をかけられる煩わしさがありませんし、不動産会社も見込み客でもない人に時間と費用を取られずにすみます。
「相場」だけわかれば良い方は、査定依頼せずにこちらのサービスを活用されることをお勧めします。
(4)HOME’S売却査定の弱み(デメリット)
②HOME’S売却査定には大手不動産会社の掲載が少ないこと
もちろんHOME’S売却査定にも弱み(デメリット)もあります。
①必ず信頼できる不動産会社と出会えるわけではないこと
不動産一括査定サイトでは最大級の1769社が掲載されていますが、全国の不動産会社の総数は12万社を超えます。つまりほんの一部の会社しか掲載されていないことになります。あなたの所有する物件の種類を得意とし、信頼できる不動産会社が掲載されていないこともまります。
友人・知人に信頼できる不動産会社の方がいらっしゃるなら、そちらを優先することをお勧めします。
②HOME’S売却査定には大手不動産会社の掲載が少ないこと
HOME’S売却査定は「地域密着から大手まで」を売り文句にしていますが、実際は後述のネガティブな口コミにもありますように、大手といわれる会社の掲載数はすくないです。
・大京グループ
・大成有楽不動産販売グループ
・近鉄不動産
・日本住宅流通
・京王不動産
・相鉄不動産販売
大手志向の方は、直接その不動産会社さんに依頼されるか、売却査定サイト「すまいValue」を利用されることをお勧めします。
(5)こんな人にはおすすめできる(向き不向き)
いままで述べてきたサービスの特徴や、メリット・デメリット、このあとの口コミを含めて総合的に見て、HOME’S売却査定を利用するのが向いている人と向いていない人をまとめました。
ご自身が向いているかどうかの判断材料にしてください。
②不動産売却が初めてなので、相談しながら査定を進めたい人
③住宅以外の不動産の査定をしてほしい人
④地方の郊外にある住宅を査定してほしい人
②大手不動産会社のみに査定をしてほしい人
③まだ売却するか決めていないけど、とりあえず相場感をつかみたい人
(6)実際の評判(利用者の評判・口コミ)
実際にHOME’S売却査定を使った人の評判・口コミを見てみましょう。
ポジティブな口コミ
41才男性
39才女性
ホームズは、不動産購入時に利用していたこともあり、2000年初期からのユーザーです。そんなこともあり、ホームズに対しての信頼感があり、キャッチコピーを閲覧すると『独自の審査による厳選された不動産』と書いてあったので、ホームズが提携している不動産会社であれば、安心して売却活動ができると思って、サイトを利用してみました。
結果としては、7社の不動産に一括査定を実施したのですが、しつこい営業もなく、素晴らしい接客をしてくれる不動産が多かったので、ホームズを選んで本当に良かったです。
50才男性
査定するのは、複数の不動産会社を調べて相場が知りたかったためで、1件だと意味がないですよね。
半分あきらめたときに、HOMESでは7件の不動産会社から連絡が来て、やっぱり物件掲載数が多いだけあるなぁと思います。
一番査定価格が高い大手の不動産会社にお願いしました。
思いのほか早く問い合わせがあって、売却完了。
一時期は、もう売れないのかなぁと落胆していたので、ほっとしました。
44才男性
7年前にたてたばかりのマイホームでしたが、離婚を機に財産分与のため売却することに…。
当時は疑心暗鬼になっており、査定サービスや不動産会社への相談なども、「知り合いに見られたらどうしよう…」なんてことばかり考えてなかなか前に進めませんでした。
そんなときに見つけたのが、ライフルホームズの匿名査定サービスです。
最初は個人情報を記入せずに不動産屋の査定額や対応を見比べ、良いなあと思ったところ1社に個人情報を共有し訪問査定をしてもらいました。
自分の気持ちの問題が大きかったとは思いますが、それでもライフルホームズのおかげで一歩踏み出せました!
40才女性
簡単な情報を入力するだけで、売りたい物件の査定を依頼することができました。
フリーダイヤルでも、相談できるのが、他のサイトにはない魅力だと思います。
実際、私も相談ができるからHOMESのサイトから査定をお願いしました。
親から相続した土地でしたが、自分が今住んでいるところとは離れていて、あまり行くこともないので売却。
本当は地元の不動産開始に頼もうと思っていましたが、できるだけ早く高く売りたかったので、まず相場を調べることに。
査定は4社の不動産会社から行い、一番対応がよかったところに仲介をお願いしました。
相談したときに、できるだけ私の希望価格で売ること、そして早く売りたいという私の気持ちを汲み取ってくれて、積極的に売り出してくれたみたいです。
売却の手続きも終えて、やっと安心できました。
ネガティブな口コミ
良い評判だけでなくネガティブな評判も見てみます。
45才男性
例えば大手不動産会社からまとめて査定を取りたいと思っても、どこが参加してるのかがわからなければ、結局二度手間になってしまいます。また査定を依頼すると数十社提示され、その中から最大で10社選べるようになっていますが、最初に選ばれた選択肢がなぜ選ばれたかの説明がない。また476万人が利用というのはさすがに数が多過ぎると思い、調べてみたらLIFULLのサービス利用者数であり、不動産査定の利用者数ではないことが判明。
正直誤解を与える書き方で、意図的なものを感じます。大手のサービスなので、不誠実なことはしないと思いますが、だからこそこれらの点を改善して欲しいです。
41才男性
また悪いことにLIFULLが参入するタイミングで、大手不動産会社6社がすまいValue以外の一括査定に参加しないとしたことで、LIFULLにもこれらの会社が参加していない。中小の不動産会社が参加するサービスの中では使い勝手も良いし、一定の存在感を発揮しているが、ここだけで一括査定はOKとならないのは辛いところ。
42才男性
ネガティブな評価も誰もが知っている大手不動産会社が参加していないことに言及されているものばかりです。大手志向の方は「すまいValue」を利用されることをおすすめします。
ちなみに、業界売上の上位4社が一括査定サービスに参加していないのは、この4社が一括査定サービスでの媒介契約の受託率が3%ぐらいしかなく費用対効果が悪すぎるので、中堅の2社を誘って6社だけの「すまいValue」を始めたという業界裏話があります。
(7)申し込みまでの流れ/手順
それでは、実際にHOME’S売却査定を利用する流れを見てみましょう。スマートホンから利用する場合の画面を使っています。
- STEP.1HOME’S売却査定サイトにアクセスする
- STEP.2物件のタイプと物件のエリアを選んで「査定依頼スタート」をタップします。
- STEP.3入力画面に切り替わりますので、物件の内容と個人情報を入力します。
※入力項目は多数ありますので、下記の表に必須のものと任意のものに分けてまとめています。
- STEP.4入力した内容をもとに査定依頼先の会社の候補が表示されます。
実際に査定を依頼する会社を選びます。「この会社の情報をもっと見る」をタップして候補の会社が自分にあっているか確かめましょう。 - STEP.5確認画面で間違いがないか確認する。
間違いがなければ「送信する」をタップします。
※入力する項目
①必須のもの
・物件の住所
・間取り
・専有面積
・築年数
・居住状況
・あなたと売却物件の関係性
・売却希望時期
・売却理由
・ご要望
・名前
・住所
・電話番号と連絡の希望時間帯
・メールアドレス
・住宅ローン残高(任意)・売却希望価格(任意)
・査定会社への連絡事項(任意)
・優先する希望連絡方法(任意)
(8)利用する場合の注意点
最後に、HOME’S売却査定を利用する場合の注意点をお伝えします。
②選択した不動産会社からの査定金額の多寡に一喜一憂しない。
③高い価格での売却と早期の売却は両立しない。
あまり他のサイトでは言及されていない点もありますが、宅建取引士であり、業界経験20年以上の筆者からのアドバイスです。いわゆる中の人の話として聞いてください。
順番に解説していきます。
①HOME’S売却査定は、あくまで信頼できる不動産会社を見つける手段と心得る。
不動産売却の成功の秘訣は、あなたの不動産を売ることに親身になって取り組んでくれる担当者なり不動産会社をパートナーにすることです。これには大手も地場中小も違いはありません。
不動産仲介は成功報酬になっています。それが故に、あなたの不動産が売れなくても責任を問われることはありません。また、普通の商品と違って在庫となっても場所もとりませんし保管の費用もかかりません。一般媒介契約であれば、レインズ(流通機構)に登録する義務も、依頼者であるあなたに活動内容を報告する義務もありません。
つまり、何もせず「売れたらラッキーだよね」というスタンスでも問題ないのです。
逆に、信頼できる会社とは、例えば
不動産会社は実際に土地の状況などを法務局で調べてちゃんと査定してくれますし、私の実家の場合、家が老朽化していたので解体して更地にした場合とか、いろいろなパターンを親切に教えてくれました。
市に提供している道路の土地などの面積もちゃんと教えてくれました。
出典:yahoo知恵袋より
という具合に、売却に向けて調査も怠りませんし、売却方法の提案もします。
HOME’S売却査定はあくまで査定できる不動産会社を推薦してくれるサービスです。どの会社を選ぶのかは、あなたご自身です。できるだけ不動産会社とは面談して、信頼ができて、あなたのフィーリングにあう不動産会社を選んでください。
この後②、③で、実際に不動産会社を選ぶ際の注意点をお伝えします。
②選択した不動産会社からの査定金額の多寡に一喜一憂しない。
実際にHOME’S売却査定を利用し複数の不動産会社に査定依頼すると、それぞれの査定額に大きな開きがあり驚くことがあります。
ここで一番高額な査定金額を提示してきた不動産会社に飛びつくのはやめてください。
「査定金額」は、その金額で売却できることを保証するものではありません。
「査定」とは、媒介契約期間(3ヶ月)内に売却できるであろうと不動産会社が予想した想定金額でしかありません。この点「ブランド品買取一括査定」や「中古車買取一括査定」とは違いますので、注意してください。
査定金額で売却できなくても不動産会社は責任を取るわけではありません。
不動産一括査定では複数の会社との競争であることが当たり前なので、不動産会社としては査定依頼者であるあなたの気を引くために、どうしても高めの査定金額になります。ちょうど、不動産会社ばかりの商店街で営業しているようなものなのです。業界では「不動産一括査定インフレ」と呼んだりしています。
宅地建物取引業法では、「売買すべき価格又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。」(第34条の2)としています。
媒介契約を結ぶ前に、必ず査定の根拠を聞いてご自身が納得できるどうかを判断材料にしてください。
③高い価格での売却と早期の売却は両立しない。
HOME’S売却査定だけではなく不動産一括査定サービスを行なっているサイトは、一様に「当サイトを利用すればあなたの不動産が高く、早く売却できます。」というセールストークで利用者を集めています。
しかし、感の良い方は気づいていらっしゃるかと思いますが、そんなうまい話はありません。
通常は
・価格が高い→購入希望者が少ない→価値を訴求し見込み客を探す=時間がかかる
という流れになります。
確かに相場より高くてもすぐに売れる場合もあります。それは、例えば親御さんと同じマンションが欲しくて探しており、他にも物件が無いようなレアな場合です。
インターネットの普及によりホームズをはじめ多くの不動産情報ポータルサイトがあり、買主側は少しでも安く購入しようと情報収集しています。いまや下手な営業担当者より詳しい方もいらっしゃいます。
大切な資産である不動産を売ろうかなと考えているあなたには、様々な理由があると思います。
ざっと思いつくだけでも、
・転勤のため処分したい
・相続したが住む予定がないため
・住宅ローンの支払いが難しいため
・事業資金がいるので早く換金したい
といったものがあります。
売却理由に合わせて不動産の売り方も変わってきます。例えば、
・相続・転勤等売却に時間的余裕があるなら高値でじっくり売却する
・ローンが苦しいなら任意売却の交渉をする
・時間が限られているなら買取業者を集めて入札する
という方法です。
このように、あなたの売却理由に合わせて最適な方法を提案してくれるのが信頼できる不動産会社です。
いきなり価格の話だけするような不動産会社はNGです。
じっくりあなたの売却理由をお聞きし、自社でできることを提案しようとする姿勢を持った会社を選択しましょう。
媒介契約の種類との相性についてもお伝えしておきます。
・高く売りたい場合=専任媒介契約
一般媒介契約
早く売りたい場合は、相場又は相場より若干安い価格で市場に出す(売り易い物件)と他社より先に購入希望者を見つけようとする競争原理がはたらきますので、他社に勝たないと手数料が入らない一般媒介契約が良いです。
複数の不動産会社に売却依頼をしても、自分で見つけた買主と取引してもOK。
その分、締結会社の本気度は低くなる恐れがある。
専属専任媒介契約
逆に高く売りたい場合は、様々な工夫が必要になりますので、必ずあなた(売主)から手数料が入る専任媒介契約なら不動産会社は安心してノウハウを投入しやすくなるため、専任媒介契約が良いです。
他の不動産会社との媒介契約の締結および自分で見つけた買主との取引ができなくなる。
一方で専属専任媒介契約を締結した不動産会社の売却に対する本気度は高まる。
以上の公式に反した「一番やってはいけないこと」をお伝えします。
高値で売却したい時に、複数の大手不動産会社に一般媒介で依頼するのは危険です!
なぜ危険なのか?
それは、売りにくい物件として放置されるからです。
一般媒介のメリットの競争原理が発生するのは、売りやすい物件です。
売りにくい物件(高値)では、一般媒介のデメリットである不動産会社の努力義務(流通機構(レインズ)への登録、売主への活動報告)の免除が効いてきます。つまり何もしなくても問題ないのです。
そして、一般媒介では、不動産会社がいくら努力しても他社のルートで契約が成立すると手数料はゼロというリスクがありますので、不動産会社同士で相互に牽制しあう状態になります。
例えば、売主さんに相談して少し価格を引き下げてもらうと売れる可能性がある場合に、自社が頑張って説得しても価格が下がった途端に他社に契約を持っていかれると水の泡なので、どの会社も説得しないといった現象です。
このような現象は、どの不動産会社でもおきる現象ですが、大手不動産会社では顕著に起きます。大手不動産会社は上場企業が多く、決算予測を公表していますので売上目標達成圧力が強いです。そのため仲介現場では、売りやすい物件、専任物件が優先されるからです。
まだ一社でも地場中小の会社が一般媒介に加わっていると、大手への対抗意識と中小特有の柔軟な対応が期待できます。
例えば、自社のルートで契約が成立するよう買主を仲介してくれた会社にインセンティブを付ける(キックバック)事を約束して、流通機構(レインズ)に登録したり、自社人脈を使って一般媒介物件の情報を流したりすることがあります。
いずれにしても「高く売りたい場合」は、一般媒介は避けた方が良いです。
(9)まとめ
いかがでしたでしょうか?
HOME’S売却査定について詳細にレポートしてきました。メリットだけでなくデメリットもあげています。電話相談や匿名査定などのHOME’Sの便利な機能を使いきって欲しいです。ご自身に合ったサービスかどうかご判断ください。
3つの注意点は重要ですので、実際に査定依頼をする際に忘れず活用いただければ嬉しいです。
サイトの安全性、運営会社が上場企業であること、サポート体制や他のサイトにない機能があることをから高評価になりました。
不動産売却の成功には、信頼できる不動産会社をパートナーにすることが不可欠です。HOME’S売却査定を利用して信頼できる不動産会社と出会われることをお祈りします。
菅 正秀
最新記事 by 菅 正秀 (全て見る)
- イエウール 不動産一括査定サイトのリアルな口コミ評判まとめ - 2020年1月22日
- すまいValue「机上査定」と「訪問査定」を解説! ※利用者の声も - 2019年12月14日
- 親の家(実家)を売りたい。全く無知なので具体的な進め方を教えてください。 - 2019年11月22日