すまいValue「机上査定」と「訪問査定」を解説! ※利用者の声も

すまいValue

すまいValue(すまいバリュー)のサイトには、「カンタン60秒入力で一括査定依頼」と書いてあります。

実際に入力していきますと、下の画像のような入力項目がでてきます。


「訪問査定」「簡易査定(机上査定)」
自分はどっちを選べば良いのだろうか? と疑問に思って手が止まりませんでしたでしょうか?

本記事では、訪問査定と簡易査定(机上査定)について

  • どのように違うのか?
  • 両者の特徴(メリット)と注意点(デメリット)
  • あなたなら、どちらを選ぶべきか?

を解説していきます。

筆者は、業界経験20年以上あり、実際に物件の査定に携わった件数も500物件を超えます。その経験から、よくある売主(あなた)の誤解や間違いについてもお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。

この記事に登場する専門家

菅 正秀

宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。
大阪府大阪市生まれ。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。ステレオタイプの不動産会社のイメージを払拭して、顧客と不動産会社が健全なパートナーシップを結べる一助なるコンテンツ作成を心がけている。

すまいバリューの机上査定(簡易査定)と訪問査定の違いって何?

机上査定(簡易査定)※とは、今あなたが入力している物件のデータに基づいて、査定担当者が査定価格を出すものです。文字通り机の上で算出します。
訪問査定とは、あなたの物件を査定担当者が実際に拝見し、あなたと面談して売却のご事情やご希望を伺ったうえで、査定価格を出すものです。

違いは、あなたの物件を見るか見ないかと、あなたと面談するのかしないのかです。

※すまいバリューのサイトでは「簡易査定(机上査定)」と表記されていますが、不動産一括査定では、机上査定が一般的なので以下「机上査定(簡易査定)」と表記します。

ここで、注意していただきたいことが2つあります。

  1. 査定価格といっても2種類ある
  2. 査定価格=成約価格(売却できる金額)ではない

ということです。

2種類の査定価格とは

机上査定(簡易査定)による査定価格と訪問査定による査定価格は別物なのです。

  • 机上査定(簡易査定)=調査報告
  • 訪問査定=提案

机上査定(簡易査定)

机上査定(簡易査定)による査定価格は、あなたの物件に類似した物件の過去の成約データや市場動向を踏まえた相場価格調査報告です。

訪問査定

そして訪問査定による査定価格は、相場価格を基礎にあなたの物件の特徴(プラス要素・マイナス要素)、売却の事情(売却理由・売却時期等)を考慮した、不動産会社による売出価格提案になります。

査定価格=成約価格ではない

査定価格は、あくまで「この金額なら売れるでしょう」という不動産会社の調査報告なり提案なのです。不動産会社は査定金額で売れることを保証するものではありません。自動車の買取査定とは違います。

多くの売主さんが勘違いされているところです。そうすると、一番高い査定金額を出した不動産会社に飛びついてしまうという間違いをヤッてしまうのです。

ここ重要です!
まちがえないようにしてください。

売出価格は、売主であるあなたが決定すべきものです。
〇〇万円以上で売らなければ住宅ローンが一括返済できない、買い替えなので〇月〇日まで売れなければ引っ越せない等の事情を考慮して、強気の価格設定でいくのか、スピード重視の売れやすい価格設定にするのを決めるのです。

このときに訪問査定による査定価格が重要になってきます。
優秀で信頼できる不動産会社であれば、あなたの事情を考慮した販売プランを含めた査定価格を提示してくれるでしょう。大いに参考にしてください。

そして、成約価格は、売出価格で市場にでている、あなたの物件を気に入った買主さんと交渉のうえ売買契約が成立してはじめて決まるのです。

すまいバリューが対応している不動産会社一覧

ここで、すまいバリューで実際に査定をしてくれる不動産会社を確認しておきましょう。

すまいValueに登録している6社
  1. 三井のリハウス
  2. 住友不動産販売
  3. 野村の仲介
  4. 三菱地所ハウスネット
  5. 東急リバブル
  6. 小田急不動産

そうそうたるメンバーですね。業界に詳しくない人でも名前は聞いたことがある不動産会社ばかりです。実績も、全国で12万社を超える不動産会社の売上高ランキングの上位30社の中に入っています。特に、三井、東急、住友、野村の4社が1位から4位を占めています。

また、いずれも全国展開しており、その店舗網は6社合計で800店舗を超えていますので、地方の郊外にある物件でなければ対応可能です。

そして、すまいバリューのサイト運営も6社共同で行っていますので、その点でも安心して査定依頼ができるでしょう。

すまいバリューの机上査定(簡易査定)の特徴(メリット)と注意点(デメリット)

机上査定(簡易査定)は、あなたの物件の相場価格を把握するのに適しています。

机上査定(簡易査定)の特徴(メリット)と注意点(デメリット)を整理しますと、下記の表のようになります。

特徴(メリット) 注意点(デメリット)
・短時間で価格がわかる
・隣近所にわからない
・基本情報を入力するだけ
・査定額が不正確(相場価格のみ)
・査定額の根拠を聞くことができない
・しつこい営業を受ける可能性がある

ただし、「短時間でわかる」というのは訪問査定と比べてという意味です。机上査定といえども担当者が査定しますので、早くて数時間、査定依頼のタイミングによっては2〜3日かかることもあります。
インターネットの時代なのだから、もっと早く知りたいというニーズがあるでしょう。
最近、AIなどの新しいIT技術を導入して瞬時に査定価格を出せる不動産一括査定サイトもありますが、すまいバリューは対応していません。

また、しつこい営業を受ける可能性については、個人情報を入力して査定依頼をする以上ゼロではありません。確かに「不動産一括査定を使うとしつこい営業を受けた。」という口コミをネット上でよく見かけます。

しかし、すまいバリューでは、Q&Aで

一括査定お申し込みフォームの「ご要望・その他連絡事項」欄に、(中略)ご希望の連絡先、ご連絡方法、時間帯などをご記入ください。ご指定の内容に従って、ご依頼いただいた不動産会社の担当者が連絡をいたします。

と明記していますので、忘れずに連絡方法を指定しておきましょう。

他の不動産一括査定サイトでは、個人情報を入力しないでも査定依頼ができる「匿名査定」を導入しているところもあるようです。これだとしつこい営業を完全にシャットアウトできます。しかし、マンション名だけとか、戸建てなら〇丁目までとなり、物件が特定できませんので、机上査定(簡易査定)より価格の正確性は落ちます。
すまいバリューは、匿名査定にも対応していません。

机上査定(簡易査定)は、

  • 近所の人に知られずに査定してほしい
  • 今の価値だけ知りたい
  • すぐに売却する予定のない

という方に向いた査定方法です。

すまいバリューのサイトでも、Q&Aに

すまいValue運営各社では、将来を考えたご相談なども承っております。具体的な売却時期は決まっていない場合でも、お気軽にご相談ください。

と明記しています。

すまいバリューの訪問査定の特徴(メリット)と注意点(デメリット)

訪問査定は、依頼した会社全部と面談しなければならない手間はありますが、より実践的な売出価格に近い金額を知ることができます。

机上査定(簡易査定)の特徴(メリット)と注意点(デメリット)を整理しますと、下記の表のようになります。

特徴(メリット) 注意点(デメリット)
・査定額が正確
・査定額の根拠を聞くことができる
・信頼できる会社か判別しやすい
・日数がかかる
・隣近所にばれる可能性がある
・訪問の日に家に居ないといけない
・複数業者にお願いすると対応が大変

訪問査定は、

  • 正確な価格を知りたい
  • 物件の売却を真剣に考えている
  • すぐに売却活動を始めたい

という方に向いた査定方法です。

不動産売却の成功は、どの不動産会社をパートナーにするかがポイントです。訪問査定による査定価格で、あなたに適した販売プランを提案してきた不動産会社を選ぶようにしましょう。

利用者の声と筆者のコメント

ここで、既に利用された方たちの声をみてみましょう。

実際に利用された方の口コミを見てみると、概ね満足した声が多いです。サイト上で「トラブルなく「安心」「安全」に取引できた割合96.7%」記載しているだけのことはありますね。

例えば、

査定完了までにかかった時間はわずか1分30秒!これだけで6社から査定額が出てきたので、相場を知ることができた。

典型的な机上査定の利用方法ですね。

東京の築年数30年超の住宅について、ローンの残債が返せる程度の価格で売れたら良いと考えていたが、それを上回る価格での購入希望者が見つかった。大手の販売力はすごい

最初は、真剣に自分の家の査定を考えていなかったのが本音です。ところが、査定してくれる担当の方が親身になって対応してくれました。自分の家が本当にどのくらいの価値があるのか考えるよい機会になりました。自分の住んでいる家が特急停車駅で徒歩8分の場所にあり、開発が進んでいる地区なので土地の値段が上昇していることもあり思っていたよりも高い値段で査定されました。今後、どのようにすればよいかなど担当の不動産会社の方がよいアドバイスをしてくれたので安心できてとてもよかったです。よい会社と巡り会えたので、すまいバリューには感謝しています。

訪問査定で上手く行った事例ですね。

もちろんネガティブな口コミも、ないわけではありません。

連絡方法をメールにしたのに、しつこく電話がかかってくる。2社くらいからずっと連絡が来ててうざい。仕事だから取れないって書いたし言ったのに。どこも大手だから安心してたけど心底がっかりした。他で査定してもらいます。

これは、どこの不動産一括査定サイトを利用しても起きる可能性があります。
不動産会社は査定をするのが仕事ではありません。査定はあくまでビフォアサービスで営業の一環とし行っているにすぎません。

不動産会社は、査定依頼をした人から売却依頼をしてもらうのが仕事です。

ただ、あまりしつこいと「ウザい」ですよね。
その場合の対処の仕方については、当サイトの他の記事「イエウール『しつこい営業を受けてウザい!』の3つの誤解」で取り上げていますので参考にしてください。

仲介手数料の減額交渉は全くできませんでした。確かに私だけ安くしてもらうと、他の売主も安くしなければならなくなるか…

確かに、大手不動産会社は、余程の理由がない限り手数料の減額をしません。

しかし、筆者は手数料の減額交渉はお勧めしません。
それは、手術前のお医者さんに手術代を値切るのと同じだからです。

不動産仲介のビジネスは、小売店と異なり、在庫(あなたの物件)を抱えても、仕入れ金が眠ってしまうわけでも倉庫代がかかるわけでもないのです。
つまり、あなたの物件が売れなくても不動産会社にはリスクはありません。

したがって、手数料が安いあなたの物件より手数料の高い他の物件を優先するケースが多くなります。

大手だけなので、査定額に幅がほとんど出なかった。結局、どこに依頼するか決められず…

これは、「高い査定額を出した会社=良い会社」という売主さんのよくある勘違いが招いた失敗例です。

机上査定は、相場の調査報告になりますので、バラツキがある方がおかしいです。特に飛び抜けて高い金額を出した会社こそ怪しいですよ。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

売主さんのよくある勘違いや、ヤッてしまう間違いにも言及しながら、すまいバリューの机上査定(簡易査定)と訪問査定の違いについて解説いたしました。

机上査定(簡易査定)による査定価格と、訪問査定による査定価格の性質の違いを理解した上ですまいバリューの不動産一括査定を利用してください。

そうすれば、今の価値だけ知りたい方から、すぐに売却活動を始めたい方まで幅広く活用いただけると思います。

なお、真剣に売却を考えている方は、どの不動産会社が自分に適した販売プランを含んだ査定価格を提出してくれたかを見極めてください。

不動産一括査定サイトの評価
サービス名の知名度
(5.0)
査定可能な不動産の幅
(5.0)
口コミ・評判
(4.5)
査定までの時間
(3.5)
査定後のサポート
(4.0)
総合評価
(4.5)

AI査定、匿名査定などの新しいサービスには対応していませんが、知名度、参加不動産会社の信頼度、査定範囲などから高評価としました。

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菅 正秀

■宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。 ▼大阪府大阪市生まれ。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。 その後、顧客と一緒にモノづくりをするために、地域中小建設会社に移り、注文住宅・賃貸マンションの受注営業を担当。大手建設会社との競合が激しい中、操業以後に流入してきた近隣住民のクレームにお悩みの経営者さんに、不動産会社時代の人脈を使い工場の移転先を斡旋した上で、その跡地に93戸の賃貸マンション建設の受注をするなど、15年間で約32億円の受注する実績をあげる。 現在は、建築にも明るい不動産コンサルタントとして、不動産会社のエスクロウ業務(契約管理)・新人社員指導等を行なっている。ステレオタイプの不動産会社のイメージを払拭して、顧客と不動産会社が健全なパートナーシップを結べる一助なるコンテンツ作成を心がけている。