相続で実家を引き継いだのですが、建物も古く、遠方で生活しているので、実家に戻ることはありません。
そのため、売却しようとして、調べてみると建築不可の土地になっているといわれました。
建築不可の土地とはどのような土地なのでしょうか?
査定がつかないかもしれないともいわれたのですが、査定すらできないのでしょうか?
Kyo.N
このような土地を再建築不可といいますが、なぜ再建築不可なのか一般の人には分かりにくい言葉です。
- 再建築不可の定義とはどのようなものなのでしょうか
- また再建築不可の土地は売却や査定は可能なのでしょうか
この記事では、再建築不可の不動産について取り上げてみましょう。
この記事に登場する専門家
Kyo.N
宅地建物取引士、賃貸経営管理士、米国不動産経営管理士。
大学卒業後、証券会社に勤務、その後、不動産会社へ転職。
賃貸仲介・売買仲介・管理業務と不動産全般を経験し、現在は金融の知識も生かしコンサルティング業務を行う。20年超の勤務経験と、不動産全般を経験した知識から、さまざまな角度から不動産経営や投資についての悩みを解決する。
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再建築不可の定義とは
再建築不可とは、現在建っている戸建て等を解体してしまうと、次に建築物を建てることができない土地のことを指します。
そもそも、家が建てられない土地とは、どのような土地なのかといいますと
- 建築基準法上の道路に隣接していない
- 建築基準法上の道路に2m以上隣接していない
家を建てるときの条件として、建築基準法上の道路に2m以上隣接していなければ建築できません。
今までは建築できたのに、隣接する建築基準法上の道路の状況が変わり、建築できない場合再建築不可となります。
では、建築基準法上の道路に2m以上隣接していない土地は実際にどの程度あるのでしょうか。
図表を見てみましょう。
出典:総務省「道路の幅員別道路に敷地が隣接している専用住宅数」
平成20年における専用住宅数は47,124万戸に対して2,262万戸が幅員2m未満の道路に隣接しています。
割合にすると、4.8%です。
決して少ないというわけではなく、私も職業柄、売買物件の情報を閲覧することが多いのですが、再建築不可の物件が売りに出ているのを見かけることがあります。
再建築不可でも普通に売買はされているのか
再建築不可の物件は普通に売買されています。
建物が建てられなくなったからといって、売れないというわけではありません。
再建築不可の土地にもメリットがあるのです。
再建築不可の土地に対するメリットやデメリットについて詳しく解説していきましょう。
再建築不可の土地を買うメリット
再建築不可の土地を買うメリットは、下記のようなものが挙げられるでしょう。
- 安く購入ができる
- 古い建物を古民家として利用できる
- 固定資産税が安い
この3つの内容について詳しく掘り下げましょう。
安く購入ができる
再建築不可の不動産は、相場よりも比較的安く購入できます。
建物を建てる目的で不動産を購入しようという人には対象外の不動産となってしまいます。
しかも、建物を建てる目的で不動産を購入しようという人は多いので、再建築不可の不動産はどうしても金額を下げなければ売れません。
例えば、資材置き場などで利用したい方などは、建物を建てる必要がありませんので、金額が安いとお得に購入ができます。
安く購入できる点は大きなメリットといえるでしょう。
古い建物を古民家として利用できる
現在建っている建物をそのまま利用する人も再建築不可の購入に支障はありません。
近年、リノベーションを積極的に活用して中古住宅を流通させようとする動きが活発です。
また、スローライフという、田舎でゆったりした暮らしを楽しみたいという人にとっても、築年数が古い建物を古民家風に仕上げて暮らすスタイルも人気が高まっています。
新築の建物や築年数が新しい建物に人気があるのは、今も昔も大きな違いはありません。
しかし、中古住宅の流通も広まり始めているので、今の建物を活用したい人にはおすすめです。
固定資産税が安い
再建築不可の不動産は固定資産税や都市計画税が安いことも特徴のひとつです。
都市計画税とは、1月1日時点の所有者にかかる地方税。固定資産税評価額の0.3%
再建築不可の不動産において固定資産税は、建物の築年数や状態も他に道路の接道状況によっては減価補正という措置がなされます。
建物の状態や経過年数だけではなく、土地の形状や道路の接道状況などによっても税額が変わります。
無接道や不整形地といった物件が多い再建築不可物件の場合、土地や建物の評価に対して減価補正されることがあるため、固定資産税もその分安くなる傾向です。
再建築不可の土地を買うデメリットは
次に再建築不可のデメリットについて考えてみましょう。
再建築不可のデメリットは以下が挙げられます。
- 建物を建てることができない
- 住宅ローンが利用できないケースがある
- 古い建物のメンテナンス費用がかかる
これらのデメリットについて掘り下げていきましょう。
建物を建てることができない
築年数が古い建物が残っていて、その建物を生かして住むことは可能なのですが、万が一地震による倒壊や、火災などにより建物が消失した場合に、建て替えることができません。
特に、築年数が古い建物は、現在の耐震基準を満たしていないものも多く、地震による倒壊リスクを考えて説かなければいけません。
現在の建物が使用不可能になった場合、住むところがなくなってしまうという点は、大きなデメリットといえます。
住宅ローンが利用できないケースがある
不動産は、基本的に高額な買い物で、一般的には、住宅ローンなど、金融機関の融資を受けて不動産を購入します。しかし、誰もがローンを利用できるわけではありません。
今後、返済していくときに十分な資力があるのかどうか。融資する不動産にどの程度の担保価値があるのかなどの審査を経て住宅ローンの融資が可能かどうかを判断します。
再建築不可の不動産は、住宅ローンが利用できないケースが再建築可能な不動産よりも多いのです。
これは、担保価値が低くなってしまい融資の条件に見合わないためです。
再建築ができないということで不動産の評価は下がってしまいます。
ローンが実行できなければ、当然購入はできないので、買い手が少ない原因のひとつともいえるでしょう。
古い建物のメンテナンス費用がかかる
再建築不可の不動産を購入する場合、居住目的の人は、現在の建物を活用するために不動産を購入します。
基本的に、このような築年数が経過している建物は、建物自体が老朽化しているために、メンテナンス費用などを考慮しておかなければいけません。
築年数が古い建物は、どうしてもメンテナンス費用がかかります。
しかし、メンテナンス費用を出し渋ると、建物の耐用年数が大幅に下がってしまい
・家に住めなくなってしまう
という事態を引き起こしかねません。
再建築不可の物件を購入し、現在の古家を利用する場合にはメンテナンス費用がかかることを前もって考慮しておく必要があります。
再建築不可物件は、査定が可能なのか?
再建築不可物件の査定は可能です。
しかし、前述したように、基本的には、一般の相場よりも安い価格での査定となるケースが多いです。
不動産会社によっては、極端に低い金額で査定をしてしまうケースもあるので、査定や売却を手伝ってくれる不動産会社の選択も重要なポイントといえるでしょう。
ではどのような不動産会社に依頼すればいいのでしょうか。
再建築不可物件の査定は一括査定サイトがおススメ
再建築不可物件の査定でおすすめするのが不動産一括査定サイトです。
今までの不動産の査定依頼は、直接不動産会社に連絡して、査定を行ってもらいます。
その不動産会社が出した査定に不満があると、別の不動産会社に連絡して査定してもらうという方法で査定依頼をしていました。
しかし、不動産一括査定サイトの流通によって、一度の情報入力で複数社から査定依頼が届きますので、より客観的な価格査定ができるようになったのです。
サイトによってはサービス利用者が1,000万人を越えるなど認知度も浸透しています。
しかし、不動産一括査定サイトも今では色々なサービスがありどこを選んでいいのかが分かりません。
再建築不可の不動産査定に対応してる不動産一括査定サイトはどれ?
では、どの不動産一括査定サイトでも再建築不可の不動産を査定できるのでしょうか。
- さまざまな種別の査定が行えるサイト
- 運営会社がしっかりしているサイト
- 訳アリ物件でも査定可能なサイト
こういったポイントを確認して選ぶことをおすすめします。
しかし、これだけではどの不動産一括査定サイトに頼めばいいのかが分からないという人もいるでしょう。
では、具体的におすすめするサイトはどこでしょうか。
再建築不可の不動産におすすめのサイトは「全国型の一括査定サイト」
再建築不可=訳あり不動産という形になるため、やはりそういった不動産物件に対しての売却経験や実績を持つ不動産会社を見つけることが重要です。
全国型(大手)の最大の特徴は、とにかく登録されている不動産会社の数が非常に多いです。つまり、再建築不可物件にも対応してくれる不動産会社も多く存在しているということです。
まずは全国対応の大手不動産一括査定サイトを活用してみましょう。
とちかつ
- イエウール公式サイト 特徴や評判
提携数、サービス利用者数No.1 - HOME4U公式サイト 特徴や評判
NTTデータグループが運営 - リビンマッチ公式サイト 特徴や評判
不動産価格の満足度1位(※2017)
一都三県(東京、神奈川、千葉、埼玉)なら「いえカツLIFE」
再建築不可に限りませんが、おすすめできる不動産査定一括サイトは「いえカツLIFE」です。
いえカツLIFEでは一括査定の対象エリアが一都三県(東京、神奈川、千葉、埼玉)に限られる、提携不動産会社に大手不動産会社が登録されていない、などのデメリットもあります。
いえカツLIFEは東証マザーズに上場している株式会社 サムライ・アドウェイズが運営しています。
なぜいえカツをおすすめするのかというと、次の3点が大きなポイントです。
- お客様満足度97.2%
- 複雑な権利関係に精通した不動産会社が多い
- お客様の希望により3つの価格が査定可能
- 一般的な不動産物件から、訳あり不動産物件まで査定が可能
4点を詳しく解説します。
お客様満足度97.2%
顧客満足度は、査定依頼する上で大きな基準となります。
というのも、不動産一括査定サイトを利用したお客様の声などを聴くと、
「査定価格のみで詳しい説明がなかった」
とちかつ
など決して満足して利用したお客様だけではないのです。
顧客満足度が高いということは、それだけ安心して売買ができたというお客様が多いことを証明しています。
顧客満足度の高さは不動産査定一括サイトを選ぶ大きなバロメーターとなるでしょう。
複雑な権利関係に精通した不動産会社が多い
不動産の売買は、色々な事情を伴っての売却になる場合が多く、権利関係が複雑なケースも見受けられるのです。
いえカツは、さまざまな事情に精通した不動産会社を査定会社として選んでいるので、お客様の事情に合わせた売却が可能になります。
お客様の希望により3つの価格が査定可能
一般的に、不動産一括査定サイトは、仲介のみの査定しか行いません。
いえカツの大きな特徴として、仲介だけではなく、買取やリースバックの価格査定も可能なのです。
買取とは、不動産会社が独自で金額を査定して買取る方法、余計な手間がかからず、決済まで早いのが特徴。
多くの不動産一括査定サイトは仲介のみの価格査定しか行いません。
しかし、お客様の状況によって、高く売却したい人には仲介、早く売却したい人には買取、引き続き住み続けたい人にはリースバックなど、お客様の状況に合わせた査定が可能です。
一般的な不動産物件から、訳あり不動産物件まで査定が可能
幅広い不動産を取り扱い出来ることも魅力のひとつです。
特に再建築不可の物件などは、経験が豊富な不動産会社を選ぶことで、スムーズな取引が期待できます。
再建築不可の土地はどちらかといえば少し特異性がありますので、さまざまな種別の不動産に対応できる不動産会社が好ましいのです。
ただ、対応エリアが東京/神奈川/埼玉/千葉と全国規模ではないのですが、この地域での不動産売却には大きな力を発揮します。
早く売りたいときに買取は効果がある。
仲介ではどうしても売れない場合は買取も選択肢のひとつです。
買取のメリットは
不動産会社が購入するので買主のローン審査の心配なく早くて、確実に売却が可能という点が挙げられます。また、買取の場合は仲介手数料がかかりません。
買取のデメリットは
不動産会社の購入目的のほとんどは転売になります。つまり安く買って高く売ることを想定しているので、相場よりも安い売却金額となってしまいます。
しかし、再建築不可の場合は、どちらかといえばなかなか売れなくて困っている人が多いので、とにかく早く売り切りたい人には効果的です。
買取におススメなのは「お困り不動産どうする?」
再建築不可の物件は、再販が難しいことからなかなか買取できないケースも多いようです。
そこでおすすめするのが、「お困り不動産どうする?」です。
「お困り不動産どうする?」で査定対象となる対応地域は、次の通りです。
2.関西圏:大阪府、京都府、兵庫県
不動産一括査定サイトでは、全国各地に対応しているサイトもありますので、対応地域が限られることは本サイトの弱みと言えば弱みですが、一方で、関東圏の一都三県のみにしか対応していないサイトもあるため、対応地域という点において、本サイトが他サイトに比べ大きく劣後しているものではない、と言えるでしょう。
利用方法はもちろん無料で非常に簡単です。
物件情報を入力すると登録されている不動産会社が査定を開始。
査定価格を提示して購入希望を出します。
金額的に良いと思う不動産会社とマッチングして実際に買取を行ってもらうことができます。
借地権や再建築不可物件なども対応可能ですので、なかなか売れなくて困っている再建築不可の不動産の場合は、
ぜひ一度利用しては如何でしょうか。
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