リビンマッチ 不動産一括査定サイトのリアルな口コミ評判まとめ

自宅や所有している不動産を売却するなら「できるだけ高く売りたい」と考えるのは当然です。

最近インターネットを見ていると、『あなたの不動産を高くうるなら〇〇』とか『〇〇で自宅が〇〇万円高く売れました!』という不動産一括査定サイトの広告を頻繁に見かけるようになりました。

本当にそうなのか??

本記事では、リビンマッチ 不動産一括査定が、

  • 本当に高く売れるのか
  • 安心して利用できるサービスなのか
  • 他のサイトのサービスとどこが違うのか
  • 実際に利用した人の感想はどうなのか
  • 利用の仕方はどのようなものか
について詳細にお伝えします。
この記事を最後までお読みいただければ、リビンマッチ 不動産一括査定」があなたにマッチしたサービスなのか、また実際どのように申し込むのかまでご理解いただけます。

この記事に登場する専門家

菅 正秀

宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。
大阪府大阪市生まれ。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。ステレオタイプの不動産会社のイメージを払拭して、顧客と不動産会社が健全なパートナーシップを結べる一助なるコンテンツ作成を心がけている。

(1)リビンマッチってサイトどんなサービス?

リビンマッチ不動産一括査定は、1回の情報入力で全国約1400社の中から最大6社の不動産会社に査定を依頼できるインターネットのサービスです。もちろん利用は無料です。

以下の動画は、リビンマッチの以前のサービス名「スマイスター」時代のCMです。サービス概要がわかりますので、お時間のある方は見てください(約3分

https://youtu.be/OW9pQG8zcJc

リビンマッチ不動産一括査定サービスの概要を以下の表にまとめました。

サービス開始時期 2006年12月
運営会社 リビン・テクノロジーズ株式会社
利用者数 440万人
対象エリア 全国
提携不動産会社数 1,400社以上
同時依頼社数 6社
不動産会社の選択 可能
査定可能な不動産の種類 ・一戸建て
・分譲マンション
・土地
・一棟アパート(投資物件)
・一棟マンション(投資物件)
・一棟ビル
・投資マンション(1R/1K等)
・区分所有ビル(ビル1)
・店舗・工場・倉庫
・農地
・その他

さて、運営している会社がどんな会社なのか確認してみましょう。

商号 リビン・テクノロジーズ株式会社
設立 2004年1月
資本金 3,100万円
社員数 70名
事業所 【本社】
東京都中央区日本橋堀留町1-8-12 さくら堀留 ビル8階
【大阪オフィス】
大阪市北区南扇町7-17 MF梅田ビル8階
【福岡オフィス】
福岡市博多区博多駅東1-14-34 博多ICビル6 階
業務内容 不動産プラットフォーム事業(WEBテクノロジーと不動産を融合したプロダクトの開発と運営)
・不動産メディア
・不動産・住宅業界向け人材サービス
・インターネット広告

運営している会社は、リビン・テクノロジーズ株式会社という会社になります。不動産会社ではありません。いわゆるネットベンチャーの会社になります。インターネット広告を扱う代理店としてスタートしました。

不動産一括査定サービスは2006年からスタートしています。もとは「スマイスター」という名称でした。運営実績は約15年と長く信頼できます。

2018年11月に運営会社の社名が株式会社シースタイルからリビン・テクノロジーズ株式会社に変更されたのに合わせて、サービス名も「リビンマッチ 」に変更になりました。

リビンマッチは、

不動産価格の満足度1位
利用したい不動産ポータルサイト1位(2017年8月)
を獲得しています(調査会社:楽天リサーチ)

 

また、個人情報保護に関しても、

Pマーク(プライバシーマーク)を取得しており安心できます。

※「プライバシーマーク制度」は、企業や団体など(事業者)の個人情報保護の体制や運用の状況が適切であることを、消費者のみなさんに“プライバシーマーク”というロゴマークを用いてわかりやすく示す制度です。
1998年から一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が運営しています。(出典:一般財団法人日本情報経済社会推進協会 より)

 

結論:運営会社の実績、個人情報保護の観点からみて、利用しても安心なサービスであるといえるでしょう。

(2)リビンマッチ で査定できる不動産の種類

リビンマッチ で査定を依頼できる不動産の種類は以下のように多岐にわたります。

  • 一戸建て
  • 分譲マンション
  • 土地
  • 一棟アパート(投資物件)
  • 一棟マンション(投資物件)
  • 一棟ビル
  • 投資マンション(1R/1K等)
  • 区分所有ビル(ビル1)
  • 店舗・工場・倉庫
  • 農地
  • その他

このように細く分類している一括査定サイトは他にありません。
また、店舗・工場・倉庫や農地といった特殊な物件でも査定してもらえるのは、ユーザーにとっては嬉しいことでしょう。

そして、この細かな分類は、ユーザーと不動産会社のミスマッチを防ぐのにも、とても役立ちます。理由は、不動産会社も全ての種類の不動産に精通しているわけではないからです。

一般に大手といわれる不動産会社でも状況は同じです。住宅系には強くても投資用の物件や工場・倉庫や農地などは扱えないです。
お医者さんでも内科と外科では大きく違いますし、細かくは整形外科と形成外科が違うようなものです。

実は、この細分化された分類は不動産会社側でも好評なのです。

それは、例えば工場・倉庫を専門にする会社は、「工場・倉庫」の査定依頼だけが情報として流れてくるようにすればよく、「一戸建て」や「分譲マンション」などの不要な査定依頼に対して料金を支払わなくてよくなり、費用対効果の面で効率が良いからです。

実際に筆者のよく知っている不動産会社の社長は、「うちは分譲マンションの情報だけでいいので、投資用のワンルームの情報がこないようにできるのが使い勝手がいい。他の一括査定サービスだと、マンションだけでなく一戸建ての情報まで流れてくるのでコスパが悪いよ。」と言っています。

不動産会社は、査定依頼1件につき1〜2万円の情報料を運営会社に支払うわけですから、欲しい情報だけ選べるのは嬉しいでしょう。

(3)リビンマッチ の強み(メリット)

3つの強み(メリット)
①利用者の体験談を数多く掲載している
②売却査定と同時に賃貸した場合の賃料査定も同時にできる
③不動産買取や任意売却、土地活用にも対応している

リビンマッチ は、プライバシーマークを取得していることや、ほぼ全ての種類の不動産を査定できることに加えて3つの強みがあります。

①利用者の体験談を数多く掲載している

リビンマッチ では、実際に利用した人に電話インタビューを行い、サイトに数多く掲載しています。内容が詳しいだけでなく利用者の顔写真も掲載されており、信頼性があり参考になります。本記事でも1件の体験談を転記してあります。

②売却査定と同時に賃貸した場合の賃料査定も同時にできる

親の家を相続した場合や、転勤で引っ越すけど戻ってこれる可能性がある場合など、売却した方が良いのか賃貸に出した方が良いのか迷うケースがあります。
リビンマッチ では、売却の査定依頼と同時に賃料の査定も依頼することができます。
これは他の一括査定サービスにはありません。

③不動産買取や任意売却、土地活用にも対応している

不動産の売却理由には様々なものがあります。

近所に知られたくない場合や、すぐに換金したい場合には、通常の仲介ではなく直接不動産会社に買い取ってもらう方法もあります。

売却できる金額より住宅ローンの残債の方が多い場合は、あらかじめ債権者と交渉しておく必要があります。これを任意売却と言います。

また、遊休土地の場合は単純に売却するよりアパートを建てて活用する方法もあります。

リビンマッチ では、このような場合にも専門の複数の会社に見積もりをしてもらうことができます。

 

(4)リビンマッチ の弱み(デメリット)

2つの弱み(デメリット)
①必ず信頼できる不動産会社と出会えるわけではないこと
②リビンマッチ には有名な大手不動産会社の掲載がないこと

メリットの多いリビンマッチ ですが、万能ではありません

①必ず信頼できる不動産会社と出会えるわけではないこと

口コミには、「査定依頼できる会社が2つしかなかった」とか「査定依頼はしたけど、どの会社からも何の返信もなかった」というものがあります。

これはリビンマッチだけでなく、どの一括査定サービスでも起こり得ることです。

不動産会社は全国に12万社を超える数がありますが、一括査定サービスに掲載している会社はそのうちの一部にすぎないからです。インターネットから集客しなくてもやっていける優良な会社も多数あります。この場合は、ご自身の足で探すしかありません。

②リビンマッチ には有名な大手不動産会社の掲載がないこと

誰もが知っている三井のリハウス、住友不動産販売、東急リバブルなどは掲載されていません。これらの会社は、すまいValueという一括査定サービスを行うサイトを運営しているからです。リビンマッチだけに限ったことではありません。

三井、住友、東急、野村以外にも、大手といわれる不動産会社はありますし、それらの会社は引き続きリビンマッチに掲載しています。

掲載している主な大手不動産会社①

センチュリー21グループ
みずほ不動産販売
大京グループ
大成有楽不動産販売グループ
住友林業ホームサービス
近鉄不動産
東京建物不動産販売
長谷工リアルエステート
ポラスグループ・中央住宅
朝日住宅
ハウスドゥ!
福屋不動産販売
日住サービス
大京穴吹不動産
オークラヤ住宅
大成有楽不動産販売
MISAWA-MRD

(5)こんな人にはおすすめできる(向き不向き)

リビンマッチが向いている人
安全性の高いサイトを使いたい人
不動産を売却するか賃貸に出すか迷っている人
住宅以外の不動産の査定をしてほしい人
リビンマッチが向いていない人
①多くの提携会社の中から査定を依頼するところを選ぶのが面倒な人
②有名な大手不動産会社のみに査定をしてほしい人
③まだ売却するか決めていないけど、とりあえず相場感をつかみたい人

(6)実際の評判(利用者の評判・口コミ)

リビンマッチの評判はどのようなものになっているでしょうか?
インターネットの口コミサイトなどから評判を集めてみました。

ポジティブな口コミ

ネットで見る限り不動産査定の一括見積りサービスの中でも参加不動産会社の数が多く、マンションだけではなく、一戸建てや地方物件にも対応しているので使いやすいと思います。特に戸建ての不動産査定は本当に不動産会社によって全然査定価格が違いますし、田舎となるとその差は本当に大きくなるので、地方に住んでいる方こそ、地元の不動産会社の一択ではなく、他でも査定を取り、比較したほうが良いと思います。

 

個人的にはスマイスターがおすすめです。不動産査定に関しては、専任媒介するにせよ、まず最初はたくさんのところから査定を受け取るのが基本です。ちなみに不動産会社によっては専任媒介することで一定の金額をくれるところもあったりするので、チェックしましょう。
ただ3か月間専属で売買してもらうということはそれなりにリスクもあります。そういう意味では本当に地元に強いか、大手を選ぶのがポイントだと思います。

 

不動産査定ができるサイトや会社はたくさんありますが、大手の不動産会社の場合、マージンがどうしてもたかくなるというデメリットがありますが、一括見積サイトを活用すれば、地元に強い不動産業者を探す事ができます。
その中で大きいのがイエイとスマイスター、マンションnaviあたりです。残り二つはランキングにはいっていますが、スマイスターがランキングに入っていないのは不思議です。サービス内容、実績から考えるとこれが独立系では3強だと思います

 

ずっと放置していた空き地を今回売却することに。ずっと放置していた理由は田舎だし「売れない」と思っていたからなのですが、リビンマッチで試しに空き地を一括査定してみたところ思いのほか高値で買い取ってもらうことができました。

田舎だと町の不動産屋へ行っても足元を見たような評価しかしないのでネットの力は偉大だと痛感しましたよ。

 

高崎周辺に6棟の物件を持っていましたが、体調が悪くなり管理も大変なので売却することにしました。
不動産投資仲間に聞く所、ネットでの不動産査定が効率良いとのことでこちらを利用。
ちょっと強引な営業スタイルの会社もありましたが、億近い取引を成立させることができました。想定より老後の資金が増えて安心しました。

ネガティブな口コミ

良い評判だけでなくネガティブな評判も見てみます。

最大6社まで査定依頼ができると書いていましたが、実際は2社しか選択することができず2社にしか査定依頼を出すことができなかった。

 

評価するにも値しない不動産査定サイトだと思いました。スマイスターを介して無料査定の依頼を数社にしたが、ひと月経ってもどこからも音沙汰なし。しかし、スマイスターからは営業メールや評価依頼メールがどんどん配信されてくる始末。対応依頼の連絡をしてもスマイスター側から返信なし。これではこちらは個人情報を提供しただけ。

 

評判のまとめ
口コミにはプロの方も混じっているようです。これは、インターネットの口コミは誰でも匿名で自由に投稿できますので、仕方ないです。

ポジティブな口コミには他の一括査定サイトにはない、田舎の空き地や一棟マンションの事例も入っています。豊富な種類の不動産が査定できるリビンマッチ の強みを表しています。

また、ネガティブな口コミでは、実際に査定できないことがあることが分かります。これは、どの一括査定サイトも抱える問題です。リビンマッチ には「全国不動産会社データベース」というページがありますので、事前にご自身の物件を得意としている会社があるのか下調べをすることができます。

全国不動産会社データベースへ

査定してくれそうな会社がない場合は、他の一括査定サイトを使ってみる方法もあります。

(7)利用者の体験談

リビンマッチ は、利用者の声を公開しています
査定依頼を受け付けているページに8件。「不動産コラム|利用者の声」のページには50件を超えるインタビュー記事を公開しています。


その中から1件を転記してご紹介します。

【東京都 分譲マンションの事例】
「マンションを買い替えようと思い利用しました。」

  • 氏名:K様
  • 性別:男性
  • 年齢:30代

マンションを査定した理由は何ですか?

子供が増えて、今のマンションが手狭になったので、面積の大きいマンションに買い替えようと思いマンションを査定してみました。子供3人の5人家族だとさすがに小さく感じています。今のマンションは東京都世田谷区の築12年、3LDK、75m2です。5年前に5,780万円で購入 したものです。
新たに買うマンションは90m2以上を検討しています。

 

査定の価格はいかがでしたか?

6社からマンションの査定価格をいただきましたが、査定価格が予想よりも高くて驚きました。査定価格は、6,400万円~5,600万円で最大800万円の差がありました。14%も差が出ました(笑)。
リビンマッチを使ってマンション査定を依頼すると、すぐに不動産会社から連絡が来て、見積もりを出していただきました。見積書を見て価格そのものにも驚いたのですが、各社の査定価格にバラつきがあることにも驚きました。マンションの査定価格を比較しないで、何も知らずに一番価格の安い会社と媒介契約してしまうことを想像すると少し怖いです。スマイスターのようなマンション一括査定サイトを利用してよかったと思っています。

 

不動産会社ごとに査定価格のスタンスが異なる?

一括査定をしてみて初めて分かったことなのですが、査定価格の違いは各社の営業スタンスの違いによるものが大きいと思いました。
例えば、査定した物件を欲しがっている顧客(買主)を保有している不動産会社なら高めに査定価格を出せます。また、相場より高めの査定価格を見せて媒介契約を取りたがっているように見える不動産会社もありました(査定価格が高くても周辺相場とかけ離れていた場合、最終的に値引きしないと売れない)。
実際に売れるであろう現実的な価格を提示してくる会社など様々でした。不動産会社によって営業スタンスが異なるので、マンションの売却は、査定価格だけで判断するのではなく実際に不動産会社の社員に会って話をよく聞いて、そのうえで比較することが重要だと思います。

 

査定の価格だけでなく総合的な判断が必要?

私の場合、買い替えなので今のマンションを売って、そのお金を使って新たなマンションを買うというのが前提です。買い替えの場合、売却してもらう不動産会社と購入する不動産会社が同じだと、今のマンションは高く売れたけど、その分、次のマンションも高く買わされたなんてこともあり得るなと考えてしまいました(実際にあるかどうかは分かりません)。
とはいえ、売却も購入も同じ不動産会社のほうが手続などスムーズそうではあります。そのため、マンションの買い替えは、売却価格、購入価格、手数料、会社のスタンスなど総合的に評価して不動産会社を決めることが重要だと思いました。

 

「売却」だけでなく「賃貸」も検討しているのですね?

はい。実は、今のマンションを売却するか、賃貸として貸し出すか迷っています。リビンマッチで、マンション査定と同時に、マンションの家賃査定もお願いしました。「売ったらいくらか」と「貸したらいくらか」を知れば、どちらが得か比較できますからね。連絡のあった賃貸管理会社から貸した場合の家賃や近隣の家賃相場などを教えていただきました。
売却の場合もそうですが、マンションを賃貸にする場合も管理会社に室内を見てみないと具体的な家賃を算出できません。正直な話、結構いい価格で貸し出せそうではあります。ただ、「売却」「賃貸」どちらにするかまだ決めていません。新たに購入するマンションがまだ決まっていませんから(笑)。

 

出典:リビンマッチ  より

非常に詳しいインタービューになっていますね。このような記事が50件以上ありますから、きっとあなたご自身の内容に近いものが見つかると思います。
査定依頼をする前に読んでみられることをお勧めします

MEMO
なぜ、こんな詳しいインタビューが集められるのか?

それは、利用者特典として


左のような仕組みがあるからです。

リビンマッチ の利用者は、実際に不動産会社と契約後、電話取材に協力すると、5千円分のギフトカードが貰える特典があるのです。

さすがインターネットのマーケティングに精通している会社です。
お客様の声を無理なく沢山集めることができています。
うまい仕組みですね。

 

(8)申し込みまでの流れ/手順

実際に申し込む場合の流れを、パソコンの画面キャプチャーを使って見ていきます。

  • STEP.1
    リビンマッチにアクセスする


    物件タイプ、都道府県、市町村、町名を入力する(プルダウンになっているので該当するものを選ぶ)

  • STEP.2
    物件所在地を入力


    丁目・字・番地以外はプルダウンメニューで選択するだけ。

  • STEP.3
    物件情報を入力


  • STEP.4
    個人情報を入力

  • STEP.5
    依頼する不動産会社を選択して送信

     

入力画面が多いですが、選択するだけで入力できるものがほとんどなので、スマホからでも問題なく入力して申込めます。

(9)注意点

最後に、リビンマッチ を利用する場合の注意点をお伝えします。

注意
①利用目的別の注意点
②リビンマッチ を利用しても必ず高く売れるわけではない。
③不動産会社からの査定金額はあくまで参考金額。
④高い価格での売却と早期の売却は両立しない。

あまり他のサイトでは言及されていない点もありますが、宅建取引士であり、業界経験20年以上の筆者からのアドバイスです。いわゆる中の人の話として聞いてください。

順番に解説していきます。

①利用目的別の注意点

リビンマッチを利用しようと考えている方でも、その利用目的には様々あるでしょうが、大きくは以下の3つだと思います。

  1. 本当に売りたい人
  2. まだ決めていないが、高く売れるなら売りたい人
  3. 売却するつもりはないけれど自分の不動産の価格は知りたいという人

本当に売りたい人

不動産売却成功の鍵は、信頼できる不動産会社をパートナーにすることです。そのためには、実際にご自身の目でみて選ぶことが大事です。

査定方法で「訪問査定」を選択して、複数の不動産会社と面談して決めましょう。
その際にはご自身の感覚を大切にしてください。不動産売却は、概ね3ヶ月くらいの期間がかかります。その間に何度も連絡を取り合います。相性の良い悪いはスムーズなコミュニケーションに影響してくるからです。

なお、信頼できる不動産会社の選び方は②以降に書いていますので、そちらを参考にしてください。

まだ決めていないが、高く売れるのなら売りたい人

この方は、ご自分のペースで考えたいけど、「不動産会社に強引に売らされないかが不安」ということではないでしょうか?

このような方は、査定方法を「机上査定」(簡易査定)にして依頼してください。そして営業の電話がかかってきても、「机上査定の結果が出揃ってから決定する。結果はメールで返答するので、もう電話は不要です。」と1回返事すれば良いです。
それ以降にしつこく営業があれば、その時サポートに連絡すればリビンマッチが対処してくれます。

MEMO
そもそも、リビンマッチをはじめ「不動産一括査定サイト」で査定依頼を申し込めば、ある程度は不動産会社から営業がかかると言うことを覚悟してください。不動産会社は、リビンマッチに情報提供料を支払って、査定依頼をしたい人=見込み客(売りたい人)の情報を集めているからです。

売却するつもりはないけれど自分の不動産の価格は知りたいという人

この方は、不動産会社からの営業が「ウザい」と感じるのではないでしょうか?

  • 「1分で価格がわかるのじゃないの?」
  • 「こんなに不動産会社から電話がかかってくるとは思わなかった」
  • 「価格が知りたいだけだよ」

という思いや不安があるでしょう。

このような方は、そもそもリビンマッチ等の一括査定サービスの利用に向いていません。

不動産一括査定サービスは、売りたい人と不動産会社をマッチングさせるサービスです。

価格や相場が知りたいだけなら、国土交通省が運営している不動産の取引価格情報提供サイトや、不動産会社だけが閲覧できる不動産情報データベース(REINS)が公開している成約データサイトを活用されることをお勧めします。

不動産の売り出し価格を調べるサイトの例
  1. OPEN HOUSE
  2. SUUMO 関東版
  3. at home
  4. LIFULL HOME’S

また、最近ではAIの発達で情報を入力すればすぐに不動産価格がわかるサイトもたくさんあります。「ai不動産価格」などで検索していただくと色々出てきます。


これらを利用されると煩わしい営業はありません。

AIの不動産査定で定評のある「HowMa(ハウマ)についてまとめいますので、もしAIでの査定に興味のある方は参考にしてみてください。

HowMa(ハウマ)の評判|仕組みやAIの精度は?メリット・デメリットを徹底解説!

以上をまとめますと

まとめ

①本当に売りたい人
「訪問査定」を選択して依頼し、不動産会社と面談し信頼できる会社を見つける。

②まだ決めていないが、高く売れるのなら売りたい人
「机上査定」を選択して査定依頼を申し込む。

③売却するつもりはないけれど自分の不動産の価格は知りたい人
→リビンマッチではなく、取引情報提供サイトやAI不動産価格サイトを利用する。
サイトのリンクを貼っておきますので、以下からご利用ください。
国交省の「土地総合情報システム」
REINSの「不動産取引情報提供サイト」

②リビンマッチ を利用しても必ず高く売れるわけではない。

不動産売却の成功の秘訣は、あなたの不動産を売ることに親身になって取り組んでくれる担当者なり不動産会社をパートナーにすることです。これには大手も地場中小も違いはありません。

不動産仲介は成功報酬になっています。それが故に、あなたの不動産が売れなくても責任を問われることはありません。また、普通の商品と違って在庫となっても場所もとりませんし保管の費用もかかりません。一般媒介契約であれば、レインズ(流通機構)に登録する義務も、依頼者であるあなたに活動内容を報告する義務もありません。

つまり、何もせず「売れたらラッキーだよね」というスタンスでも問題ないのです。

逆に、信頼できる会社とは、例えば

不動産会社は実際に土地の状況などを法務局で調べてちゃんと査定してくれますし、私の実家の場合、家が老朽化していたので解体して更地にした場合とか、いろいろなパターンを親切に教えてくれました。

市に提供している道路の土地などの面積もちゃんと教えてくれました。

出典:yahoo知恵袋より

という具合に、売却に向けて調査も怠りませんし、売却方法の提案もします。

リビンマッチ はあくまで査定できる不動産会社を推薦してくれるサービスです。どの会社を選ぶのかは、あなたご自身です。できるだけ不動産会社とは面談して、信頼ができて、あなたのフィーリングにあう不動産会社を選んでください。

この後②、③で、実際に不動産会社を選ぶ際の注意点をお伝えします。

③不動産会社からの査定金額はあくまで参考金額。

実際にリビンマッチ を利用し複数の不動産会社に査定依頼すると、それぞれの査定額に大きな開きがあり驚くことがあります。ここで一番高額な査定金額を提示してきた不動産会社に飛びつくのはやめてください。

「査定金額」は、その金額で売却できることを保証するものではありません。

「査定」とは、媒介契約期間(3ヶ月)内に売却できるであろうと不動産会社が予想した想定金額でしかありません。この点「ブランド品買取一括査定」や「中古車買取一括査定」とは違いますので、注意してください。

査定金額で売却できなくても不動産会社は責任を取るわけではありません。
不動産一括査定では複数の会社との競争であることが当たり前なので、不動産会社としては査定依頼者であるあなたの気を引くために、どうしても高めの査定金額になります。ちょうど、不動産会社ばかりの商店街で営業しているようなものなのです。業界では「一括査定インフレ」と呼んだりしています。

宅地建物取引業法では、「売買すべき価格又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。」(第34条の2)としています。
媒介契約を結ぶ前に、必ず査定の根拠を聞いてご自身が納得できるどうかを判断材料にしてください。

④高い価格での売却と早期の売却は両立しない。

リビンマッチ だけではなく不動産一括査定サービスを行なっているサイトは、一様に「当サイトを利用すればあなたの不動産が高く、早く売却できます。」というセールストークで利用者を集めています。

しかし、感の良い方は気づいていらっしゃるかと思いますが、そんなうまい話はありません。

通常は

・価格が安い→購入希望者が多い→早い者勝ち=早く売れる
・価格が高い→購入希望者が少ない→価値を訴求し見込み客を探す=時間がかかる

という流れになります。

確かに相場より高くてもすぐに売れる場合もあります。それは、例えば親御さんと同じマンションが欲しくて探しており、他にも物件が無いようなレアな場合です。

インターネットの普及によりスーモやアットホームなど多くの不動産情報ポータルサイトがあり、買主側は少しでも安く購入しようと情報収集しています。いまや下手な営業担当者より詳しい方もいらっしゃいます。

大切な資産である不動産を売ろうかなと考えているあなたには、様々な理由があると思います。

ざっと思いつくだけでも、

・家を買い替えるため
・転勤のため処分したい
・相続したが住む予定がないため
・住宅ローンの支払いが難しいため
・事業資金がいるので早く換金したい

といったものがあります。

売却理由に合わせて不動産の売り方も変わってきます。

例えば、

・家を買い替えるなら、新居購入と現住宅売却のタイミングを合わせる
・相続・転勤等売却に時間的余裕があるなら高値でじっくり売却する
・ローンが苦しいなら任意売却の交渉をする
・時間が限られているなら買取業者を集めて入札する

という方法です。

このように、あなたの売却理由に合わせて最適な方法を提案してくれるのが信頼できる不動産会社です。
いきなり価格の話だけするような不動産会社はNGです。

じっくりあなたの売却理由をお聞きし、自社でできることを提案しようとする姿勢を持った会社を選択しましょう。

媒介契約の種類との相性についてもお伝えしておきます。
他の一括査定サイト解説記事では、安易に一般媒介を勧める記事が多いですが、実は以下の公式が正解です。

・早く売りたい場合=一般媒介契約
・高く売りたい場合=専任媒介契約

一般媒介契約

早く売りたい場合は、相場又は相場より若干安い価格で市場に出す(売り易い物件)と他社より先に購入希望者を見つけようとする競争原理がはたらきますので、他社に勝たないと手数料が入らない一般媒介契約が良いです。

複数の不動産会社に売却依頼をしても、自分で見つけた買主と取引してもOK。

その分、締結会社の本気度は低くなる恐れがある。

専属専任媒介契約

逆に高く売りたい場合は、様々な工夫が必要になりますので、必ずあなた(売主)から手数料が入る専任媒介契約なら不動産会社は安心してノウハウを投入しやすくなるため、専任媒介契約が良いです。

他の不動産会社との媒介契約の締結および自分で見つけた買主との取引ができなくなる。

一方で専属専任媒介契約を締結した不動産会社の売却に対する本気度は高まる。

 

以上の公式に反した「一番やってはいけないこと」をお伝えします。

注意
大手志向の方へ

高値で売却したい時に、複数の大手不動産会社に一般媒介で依頼するのは危険です!

なぜ危険なのか?

それは、売りにくい物件として放置されるからです。

一般媒介のメリットの競争原理が発生するのは、売りやすい物件です。
売りにくい物件(高値)では、一般媒介のデメリットである不動産会社の努力義務(流通機構(レインズ)への登録、売主への活動報告)の免除が効いてきます。つまり何もしなくても問題ないのです。

そして、一般媒介では、不動産会社がいくら努力しても他社のルートで契約が成立すると手数料はゼロというリスクがありますので、不動産会社同士で相互に牽制しあう状態になります。

例えば、売主さんに相談して少し価格を引き下げてもらうと売れる可能性がある場合に、自社が頑張って説得しても価格が下がった途端に他社に契約を持っていかれると水の泡なので、どの会社も説得しないといった現象です。

このような現象は、どの不動産会社でもおきる現象ですが、大手不動産会社では顕著に起きます。大手不動産会社は上場企業が多く、決算予測を公表していますので売上目標達成圧力が強いです。そのため仲介現場では、売りやすい物件、専任物件が優先されるからです。

まだ一社でも地場中小の会社が一般媒介に加わっていると、大手への対抗意識と中小特有の柔軟な対応が期待できます。
例えば、自社のルートで契約が成立するよう買主を仲介してくれた会社にインセンティブを付ける(キックバック)事を約束して、流通機構(レインズ)に登録したり、自社人脈を使って一般媒介物件の情報を流したりすることがあります。

いずれにしても「高く売りたい場合」は、一般媒介は避けた方が良いです。

(10)まとめ

いかがでしたでしょうか?

リビンマッチ は、安全なサービスですし、他の一括査定サイトに比べて査定できる不動産の種類も豊富です。また、売却査定と賃料査定が同時できたり、買取や任意売却、土地活用にも対応しています。不動産の一括査定サービスとして使いやすいサイトと言えると思います。

ただ、ご利用にあたっては3つの注意点を忘れないでください。
きっと、あなたの不動産売却を有利に手伝ってくれる不動産会社と出会うことができるでしょう。

一括査定サイトの評価
サービス名の知名度
(4.0)
査定可能な不動産の幅
(5.0)
口コミ・評判
(4.5)
査定までの時間
(3.0)
査定後のサポート
(4.0)
総合評価
(4.5)

プライバシーマークを取得していること、査定できる不動産の種類、各種のサービスがあることを考慮すると高評価になりました。

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菅 正秀

■宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。 ▼大阪府大阪市生まれ。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。 その後、顧客と一緒にモノづくりをするために、地域中小建設会社に移り、注文住宅・賃貸マンションの受注営業を担当。大手建設会社との競合が激しい中、操業以後に流入してきた近隣住民のクレームにお悩みの経営者さんに、不動産会社時代の人脈を使い工場の移転先を斡旋した上で、その跡地に93戸の賃貸マンション建設の受注をするなど、15年間で約32億円の受注する実績をあげる。 現在は、建築にも明るい不動産コンサルタントとして、不動産会社のエスクロウ業務(契約管理)・新人社員指導等を行なっている。ステレオタイプの不動産会社のイメージを払拭して、顧客と不動産会社が健全なパートナーシップを結べる一助なるコンテンツ作成を心がけている。