不動産一括査定サイトと検索すると”デメリット”というのがでてきました。不動産一括査定サイトにはデメリットがあるのでしょうか?また、そのデメリットにはどんなことがありますか?
今回のご質問者様のご相談内容は、不動産一括査定サイトのデメリットに関するものです。
昨今は不動産を売却しようと考えた場合、はじめに不動産一括査定サイトを利用して売却価格の相場を知ろうとする人も増えてきました。
しかし不動産一括査定サイトも万能ではないため、デメリットを知っておくことでさらに正確な売却価格の相場を調べることができるようになります。
そこで今回の記事では、不動産一括査定サイトの役割と、そこから導き出される4つのデメリットを解説します。
また記事の後半では、デメリットの解消方法も紹介するので最後まで読んでみてください。
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不動産一括査定サイトの役割
はじめに不動産一括査定サイトのそもそもの機能と役割について解説します。
この点を知ることで、後述する4つのデメリットが生まれる仕組みも理解できるためです。
不動産一括査定サイトは無料で利用できるものがほとんどで、利用者にとっては以下の2つの役割を有しています。
- 不動産の売却価格相場を知ることができる
- 売却を依頼する不動産会社を見つけることができる
不動産一括査定サイトに登録して査定を依頼することで、一度の操作で複数の不動産会社から回答を得ることができます。それが不動産の売却価格の相場を知ることにつながるのです。
また、あなたの所有する不動産の売却に適した不動産会社を見つける役にも立ちます。
特に都市部の物件については複数の不動産会社から査定を得ることができるため、その中からあなたの気に入る会社を見つけられるでしょう。
一方で、不動産会社の視点から考えると、不動産一括査定サイトに登録することで集客を行うことができます。また、もちろんサイト自体も集客を行いたいと考えています。
それでは不動産一括査定サイトに存在する4つのデメリットについて詳しく確認していきましょう。
不動産一括査定サイト4つのデメリット
それでは今回のご相談内容でもあった不動産一括査定サイトのデメリットについて解説していきます。
ここでは以下の4つのデメリットをとりあげましょう。
- サイトごとに登録している不動産会社が異なる
- 机上査定は正確ではない
- 地方物件は査定対象外であるケースが多い
- 不動産一括査定サイトはあくまで営業道具
いずれも不動産一括査定サイト全般に共通する一般的なデメリットとなります。これらを理解することで、より適切な形で不動産一括査定サイトを利用できるのです。
それでは一つずつ詳しく確認していきましょう。
1,サイトごとに登録している不動産会社が異なる
はじめに紹介するデメリットは、不動産一括査定サイトごとに登録している不動産会社が異なるというものです。
つまり一つの不動産一括査定サイトのみを使用する場合、必ずしもあなたの不動産の売却に適した不動産会社を見つけることができないことがあります。
ここには不動産一括査定サイトごとの戦略も大きく関係しています。中には千を超える登録会社を集めて数で勝負するサイトもあれば、登録会社を10社以内にしぼり質で勝負するところもあるのです。
一般的に不動産一括査定サイトに登録されている不動産会社の数については、以下の基準から選んでみてください。
不動産一括査定サイトに登録している不動産会社の数
- 都市部の不動産を売却:登録会社が少なくても良い
- 地方の不動産を売却:登録会社が多い方が良い
東京の23区の不動産であれば、多くの会社が問題なく査定できるため登録している不動産会社の数が少ないサイトを利用しても特段のデメリットはありません。
しかし地方の不動産については、そもそも査定できる会社が少なくなるため、はじめからなるべく多くの不動産会社が登録しているサイトを利用すべきです。
このように不動産一括査定サイトごとに登録している不動産会社の数が異なるため、あなたの所有する不動産に合わせてサイトを選ぶ必要があります。
2,机上査定(簡易査定)は正確ではない
不動産の査定には以下の2つがあります。
- 机上査定:現場を訪れずにわかる情報で査定
- 訪問査定:現場を訪れて実際の不動産を見て査定
そして不動産一括査定サイトで用いられる査定は基本的に机上査定となります。すべての査定依頼について訪問査定をしていたのでは、不動産会社にコストがかかりすぎてしまうためです。
こうした机上査定はコストをかけずに大まかな査定額を出すことには向いていますが、現物を見ない以上、必ずしも正確な査定額を出すことができるとは限りません。
そのため不動産一括査定サイトを利用する際は、査定額で必ず売れると思いこまないことが重要です。査定額はあくまで参考程度と考えておくべきなのですね。
不動産オーナー
不動産会社
3,地方物件は査定対象外であるケースが多い
3つ目のデメリットは、地方物件が査定対象外になりやすいという点です。
先ほども軽く触れましたが、不動産一括査定サイトであってもすべての不動産を満遍なく査定できるわけではありません。
東京をはじめとした都市部には不動産会社も多いため査定対象外となるケースはほとんどありませんが、人口も少ない地方の物件は査定できないことも多くなります。
こうした地方物件を査定する際のコツについては、不動産一括査定サイトのデメリットを解消する方法として後で解説していくので、そちらを読んでみてください。
4,不動産一括査定サイトはあくまで営業道具
不動産一括査定サイトはあくまで不動産会社にとっての集客の道具(ツール)です。
そのため、不動産会社によっては来店を促す目的で査定額を高めに表示させるケースもあります。
ですので、先ほどの述べましたが、査定額はあくまで参考程度に考えておく必要があるでしょう。
不動産オーナー
不動産会社
不動産オーナー
不動産会社
ケース別:不動産一括査定サイトのデメリット解消方法
ここまでいかがでしょうか?不動産一括査定サイトに存在する4つのデメリットが理解できましたか?
ここからはデメリットを解消する方法について解説していきます。
これを知ることで、あなたもより適切な形で不動産一括査定サイトを利用できるようになるはずです。
ケース1:より正確な価格相場を知りたい場合は複数のサイトで査定
不動産一括査定サイトは売却価格の相場を知るために使われますが、より正確な査定額を知りたい場合は複数の不動産一括査定サイトを利用するのがおすすめとなります。
先ほども述べたとおり、サイトごとに登録会社が異なるので、複数のものを利用することでより多くの不動産会社から査定を得ることができるためです。
ただし複数の不動産一括査定サイトを利用することで営業の電話も多くなる場合もあるので、はじめは2~3つを同時に利用する程度にとどめておく必要があるでしょう。
不動産オーナー
不動産会社
ケース2:地方物件査定時は複数サイトもしくは現地の不動産会社を組み合わせる
続いて、地方物件について査定額を出してほしい場合は、以下の2つの方法を試してみましょう。
- 複数の不動産一括査定サイトを使う
- 現地の不動産会社を組み合わせて査定する
一つ目の方法は、先ほどの述べた複数のサイトを使うものです。査定に携わる不動産会社が多いほど、地方物件であっても正確に査定できる可能性が高くなります。
また一つの不動産一括査定サイトに加えて、現地の不動産会社に直接机上査定を依頼するのもおすすめです。
不動産は土地に根付いたものなので、やはり現地の不動産会社は現地の不動産に強くなります。
ケース3:高値で売りたい場合は「訪問査定」を取り入れる
不動産一括査定サイトを使う目的は様々ですが、すでに本格的に売却を考えており、かつスピードよりも最終的な価格を高くして売りたい場合は、机上査定のみならず訪問査定も積極的に活用していきましょう。
訪問査定は不動産一括査定サイトを利用して見つけた不動産会社に依頼しても良いですし、現地の不動産会社を自ら見つけて依頼しても良いです。
ただし「専属専任媒介契約」を締結する場合は注意が必要です。
この契約を締結すると、他の不動産会社に売却の仲介を依頼できなくなり、またあなた自らが見つけた相手に不動産を売却することもできなくなるためです。
専属専任媒介契約を結ぶ相手は、心から信頼できる不動産会社だけにしましょう。
以下は不動産の売却を依頼する際に使われる3つの契約です。ここで簡単に確認しておいてください。
主に契約の種類として3つあります。
- 専属専任媒介契約
- 専任媒介契約
- 一般媒介契約
それぞれわかりやすくメリットとデメリットで解説していきます。
専属専任媒介契約
他の不動産会社との媒介契約の締結および自分で見つけた買主との取引ができなくなる。
一方で専属専任媒介契約を締結した不動産会社の売却に対する本気度は高まる。
専任媒介契約
他の不動産会社との媒介契約の締結ができなくなる。
不動産会社同士の競争を心配せずに売却に取り組むことができるため、締結会社の本気度は高くなる。
一般媒介契約
複数の不動産会社に売却依頼をしても、自分で見つけた買主と取引してもOK。
その分、締結会社の本気度は低くなる恐れがある。
契約名 | 特徴 |
専属専任媒介契約 | 他の不動産会社との媒介契約の締結および自分で見つけた買主との取引ができなくなる。 一方で専属専任媒介契約を締結した不動産会社の売却に対する本気度は高まる。 |
専任媒介契約 | 他の不動産会社との媒介契約の締結ができなくなる。 不動産会社同士の競争を心配せずに売却に取り組むことができるため、締結会社の本気度は高くなる。 |
一般媒介契約 | 複数の不動産会社に売却依頼をしても、自分で見つけた買主と取引してもOK。 その分、締結会社の本気度は低くなる恐れがある。 |
良い不動産会社とは
ここでは、良い不動産会社とはどのような会社か見ていきましょう。
具体的には、下記条件を満たす会社になります。
②あなたの物件の所在地のエリアで仲介実績が豊富にある
③買主を集客する力がある
④あなたの不動産の売却戦略を提案できる
⑤あなたの不安や疑問に対する不動産会社の担当者の対応がよい
市況や、地域事情に精通していなければ正確な査定はできません。実績は実力の証ですし、それを支えるのが集客力になります。
そして、お客様の利益のためには、あなたの売却理由に適した販売戦略を提案できることが大事になります。
不動産が売却できるまでには数ヶ月かかります。その間何度も会って打ち合わせすることになる担当者との相性が良くなければ上手く行きません。
「訪問査定」の時に実際に使える質問集
実際に使える質問集
- Q.査定に使用している事例の物件は、御社が仲介した物件ですか?
→査定は概ね「取引事例比較方式」で行われます。その場合事例物件の選定が重要になります。また不動産会社の実績も聞けます。 - Q.事例物件は、どのような事情で売られたのかご存知ですか?
→事例が、売り急ぎや買い進みのような特殊事情があると査定金額の正確性に影響が出ます。また不動産会社の地域情報把握力、市況把握力がわかります。 - Q.査定書の「流通性比率」の数字の理由を教えてください
→「取引事例比較方式」で価格操作をしやすい項目なので、ワザと高くしていないかがわかります。 - Q.今、うちの物件と競合するような物件はありますか?
→売却戦略を立てる上で最も大事な事が、競合物件の情報です。競合物件の情報によって、あなたの物件の見せ方も変わってきます。不動産会社が市場動向に精通しているかどうかもわかります。 - Q.私の物件をどのように販売しようと考えていますか?
→前述の6つの買主集客方法をどの程度使ってくれるのか把握するためです。 - Q.物件を売るのにどれくらいの費用がかかりますか? 税金はどれくらいかかりますか?
→担当者の知識レベルを把握してください。
おすすめの不動産一括査定サイト4選
ここまで不動産一括査定サイトのデメリットと、それを解消する方法を紹介してきました。
不動産一括査定サイトは、あなたがいかにして使いこなすかによって利便性が大きく変わります。そのため、今回の記事で紹介したデメリットは常に頭の中に入れておいてください。
それでは記事の最後に、おすすめの不動産一括査定サイトを4つ紹介します。
いずれも異なった個性を持つサイトなので、複数のサイトを同時に利用する場合は、この中からあなたの目的に沿うものを組み合わせて利用してみてください。
イエウール:登録不動産会社数No.1
イエウールは登録不動産会社が1,700社、そして利用者数1,000万人を誇る高い実績をもつ不動産一括査定サイトです。特に登録不動産会社の多さは魅力で、あなたが売却しようとする不動産に合う会社を見つけやすくなるでしょう。
どの不動産一括査定サイトを使おうか迷った場合、まずはイエウールで査定を依頼しておけば間違いないでしょう。都市部に不動産を所有しているならば特におすすめです。
以下の記事ではイエウールについて詳しく解説しているので、お時間のあるときに読んでみてください。
HOME’S 売却査定(ホームズ):匿名査定もできる
HOME’Sの不動産一括査定サイトもイエウールに負けず約1,700社が登録しており、不動産会社の選択肢の多さに定評があります。また「匿名査定」という形で、不動産会社にメールアドレスを知らせることなく査定を受けることができる点も大きな特徴です。
そのため利用する不動産一括査定サイトを増やしても、面倒な営業電話の数をおさえることができます。以下の記事では、HOME’Sについて詳しく解説しているので参考にしてみてください。
匿名査定はこちらの特設ページで行えます。
HOME4U:運用歴20年の老舗不動産一括サイト
HOME4Uは創設が2001年にまでさかのぼる老舗の不動産一括査定サイトです。また運営会社がNTTデータグループであるため、セキュリティ面の安心感も高くなっています。
登録している不動産会社は1,300社と決して少なくはないため、老舗の実績を活かして的確な査定を得ることができるでしょう。HOME4Uについては以下の記事で詳しく解説しています。
すまいValue:提携数よりも質(大手不動産会社)
すまいValueの特徴は登録不動産会社がたったの6社という点です。しかし、いずれも大手不動産会社であり、合計の店舗数は全国で840を超えます。また大手の資金力を活かして、宅地建物取引士の有資格者がリーテル売買仲介営業部門の営業社員の96.5%となっています。
このように数よりも質で査定を受けたいと考える場合に使いやすいのがすまいValueとなります。以下の記事では、そんなすまいValueについて詳しく解説しています。
まとめ
今回の記事では、不動産一括査定サイトにあるデメリットについて解説しました。
どのようなデメリットがあり、どういった方法で解消できるか理解できたでしょうか?
以下は今回の記事のポイントです。
- サイトごとに登録不動産会社が異なり、机上査定はあくまで参考価格
- 地方物件は査定対象外となる恐れがある
- 複数の不動産一括査定サイト、現地の不動産会社などを組み合わせて利用しよう
- 専属専任媒介契約は信用できる不動産会社と結ぶ
このように不動産一括査定サイトにもデメリットは確かに存在しますが、複数のサイトを組み合わせて使うことで補うことができます。また、あらかじめ机上査定によって得られる価格は参考程度のものだと頭に入れておきましょう。
こうしてデメリットを頭に入れた状態で利用するならば、不動産一括査定サイトは迅速に売却価格の相場を知ることができて便利です。あなたも、今回の記事で紹介した4つの不動産一括査定サイトから好みのものを選んで利用してみてください。
坂田
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